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日本発酵紀行 小倉ヒラク 書評

本書は、水と土と微生物が織りなす発酵文化の視点から、日本の土地に生きた人々の記憶を掘り起こす試みです、著者は発酵デザイナー、発酵ラボをつくり微生物の世界を探求、

味覚の記憶―東海の旅

愛知・岡崎の八丁味噌ー豆麹、三重・鈴鹿の豆味噌とたまり、

現代空間のエアポケットー近畿の旅

和歌山・湯浅の金山寺味噌ー米麦大豆を混ぜ麹・大陸伝来、京都・大原のしば漬けー赤紫蘇とナスでつくる、大阪・守口の守口漬けー守口大根の漬物、摂津富田の富田漬けーウリの酒粕漬け

魚と酢の通り道ー瀬戸内の旅

広島・尾道の米酢ー米は秋田・尾道で酢に加工、岡山・日生のママカリずしーママカリを酢漬け、鳥取・智頭の柿の葉寿司ー柿の葉に握り飯を載せその上に具を載せる、愛媛・五色浜のいずみやーおからを酢飯にして青魚を握ってすしにする

微生物の誘う声ー離島へ

伊豆諸島・青ヶ島の青酎ー焼酎麹をつくり・酵母で発酵させもろみにして蒸留・起源は薩摩

旅の身体感覚ー北へ

栃木・今市の日光みそのたまり漬けーたまりに野菜を漬け込んだもの、福島・会津若松の三五八漬けー塩3米5米糀8で漬け床をつくり野菜をつける「麴漬け」、富山‣射水の黒作りーイカスミを使った塩辛文化、新潟・妙高のかんずりー唐辛子を雪に晒し樽に漬け込み・3年で発酵させた調味料、秋田‣八森のしょつるーハタハタでつくる魚醬、ハタハタのいずしーなれずしの一種、北海道‣標津の山漬けーサケを山のように重ね漬け込み・生でかじる

ご当地スタンダードの発酵おやつー関東の旅

群馬・高崎の酒まんじゅうー甘酒で作った酒まんじゅうにたどり着く・高崎は味噌ダレをつくり焼き上げたもの、神奈川・川崎大師のくずもちー発酵させた小麦を使う、

発酵から見た経済史ー日本の近代化を見直す旅

兵庫・淡路島の清酒ー高級酒の少量生産に切り替え「泡あり酵母」うまい、香川・小豆島の木桶、醤油ーヤマクロ醤油の巨大木桶、徳島・吉野川流域の阿波藍ー蓼藍を発酵、灰汁に溶かし染料液をつくり・さらに発酵させて色を生み出す、

辺境を生きる知恵ー九州の旅

宮崎・日南のむかでのりーキリンサイという海藻でつくった寒天状のものを味噌漬けしたもの、熊本・阿蘇のあかど漬けーあかど芋を乳酸発酵させた漬物、長崎・対馬のせん団子ーサツマイモのデンプンを発酵の力で取り出したもの・千の手間がかかる、佐賀・呼子の松浦漬けークジラを使った発酵珍味・クジラ漁が盛んだった呼子

記憶の箱舟

発酵文化は日本人の生きる原動力となった、希望をもって生きる拠り所、記憶の伝達は言葉だけではない、食べることは学ぶこと、つくることは思い出すこと、

まとめ

発酵文化を訪ねた旅行記、メーカー製造は除きその土地のコミュニティに共有されたものに限定、そこから土地の文化を再発見したものです、