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古代

高地文明 山本紀夫  書評

温帯で暮らしていると熱帯の知識が乏しい、高地もある、多くの人が暮らし、文明が栄えていた、「高地文明」の仮説を検証したものです、著者は京都大学院博士課程修了、国立民族学博物館名誉教授

歴史教科書の記述は正しいか

四大文明から六大文明へ、四大文明にたいする異議申し立てでメソアメリカとアンデスを加える、文明は大河のほとりで生まれた?歴史教科書による記述は四大文明、インダス文明は大河文明ではなかった、文明とは何かで人口と食料生産、効果的な食糧生産の確立、

「高地文明」の発見にむけて

文明と食料の関係で狩猟採集民の世界へ、甲虫の幼虫を生で食べる、アメリカ大陸の文化領域で赤道を挟んで類似社会、ドメスティケーションとは何か・人間の役割、農学者の意見・山岳地帯、栽培植物の多様性のセンターは熱帯南アジア・東アジア・南西アジア・地中海・アフリカ・北アメリカ・南米アンデス、世界の四大高地は中央アンデス・エチオピア・チベット・メキシコ、過ごしやすい熱帯高地、人間に敵対的な高地は高山病、高地は住みにくいか・メキシコシティ1千万人、なぜ高地でも人は暮らすか・平坦、高地は健康地、「高地文明」の発見、求められる全地球的な見方、

「それは雑草から始まった」

メキシコの自然環境は温暖または冷涼、メキシコの中央高原が古代文明、テワカン河谷の発掘から野生の動植物、栽培植物が食料の中心になる、季節的移住と植物の栽培化、雑草の出現、トウモロコシの栽培化、雑草から生まれたトウモロコシ、トウモロコシ・かぼちゃ・インゲン豆の複合、メソアメリカで生まれた高地文明、大都市テオティワカン、壮大なアステカ王国、チナンパ耕作、政治的に統合できないまだら模様の王国、なにより重要なトウモロコシ、アステカの宗教儀礼と祭礼で人身供儀とトウモロコシの神

ジャガイモが生んだアンデス高地の文明

熱帯アンデス、中央アンデスの特徴は高所にまで人々が暮らす、生活圏が5000メートルにおよぶ中央アンデス、湿潤・乾燥‣砂漠のブナ、栽培植物の故郷、なぜ中央アンデス高地で多種多様なイモ類が栽培化されたか?ブナの存在、ジャガイモの栽培化、ジャガイモの起源はティティカカ湖、毒抜き技術の開発、ジャガイモ栽培の開始、アンデス文明の展開で神殿誕生、ホライズンがチャビン・ワリ・インカ、謎の神殿・ティワナク遺跡、ティナワク社会を支えた生業「盛土農耕」、ティナワク文明の成立は作物栽培、苦いジャガイモを主食にする理由は病害虫に強い点、チューニョの発明、土器に象られたチューニョ、

高地文明としてのインカ帝国

中核地帯が高地にあったインカ帝国、文字のかわり果たしたキープ(計算具)、飢えるものがいなかったインカ帝国、スペイン人を驚嘆させたインカの農耕技術・階段耕地、踏み鋤の分布が意味するものは新しい農具、中央アンデス高地は根菜農耕文化圏、「インディオの主食はジャガイモ」でインカ帝国はジャガイモ国家、自然環境を垂直に利用・補完体制「垂直統御」論登場、イモなんか食って文明ができるか?ジャガイモが蔑視される理由は農耕発展モデル、わかりにくいインカの宗教は大地の神、今も生き続けるワカ信仰、

チベットの高地文明

乾燥チベットと湿潤チベット、チベットは寒くて荒涼とした住みにくい国か?ヤルツアンポ河流域の穀倉地帯、農耕地帯も見られるチベット高原、チンコー(作物)とヤク(家畜)、チベット文化圏、農耕の後ヤクの家畜化、チンコー栽培を中心に農業が始まる、チベット文明の黄金時代の出現は1642年、ダライラマ5世が全土統一、ポタラ宮建設、都市なき文明ヤクの家畜化による輸送革命、ヤクが命と輸送革命のおよぼした変革、商業革命、チベット仏教の影響、チベットの高地文明は地形が複雑で周辺文明の影響を受けて成立、

もうひとつの例ーエチオピア

砂漠のような高原、人間が改変した環境、多民族国家としてのエチオピアは平地な高地・地溝帯で北と東の高地、河川は浸食、テフとエンセーラ(作物)とコーヒー、熱帯高地としてのエチオピア、高地が支配権力の中心地となった理由は牛耕で農牧複合、アクスム文明、アクスム王国の繁栄を今に伝えるステレ(石柱)、農耕文化が発達していたアクスム王国、アクスム文明は周辺文明化?数多くの植物を栽培しており基本文明、

まとめ

高地文明の比較、高地と低地のあいだ、「大河文明」説の再考に迫る、「穀物生産こそが文明を生んだ」、なぜ高地文明圏提唱するか、もうひとつの文明圏提唱、「大河文明」説の見直しに迫ったものです、