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絵画

鳥獣戯画のヒミツ 宮川禎一 書評

本書は鳥獣戯画謎の答えを述べたものです、著者は京都大学院修士課程修了、京都国立博物館特任研究員

月と鳥獣戯画

第一夜・新しい月ー高山寺に伝わった動物や人物を描いた四巻の絵巻、魅力的な甲巻の意味を探る、第二夜・京都栂尾高山寺ー描かれた場所はここでない、鳥羽僧正の作ではない、高山寺は清滝川を含み深い関係、第三夜・月世界絵巻ー鳥獣戯画とのきっかけは中国の銅鏡、月のウサギとカエル、第四夜・月にウサギはなぜいるーウサギが月の動物、話は前漢に遡る、ウサギが西王母に命じられ仙薬をつくる、月のウサギは飛鳥時代に伝わった、第五夜・月のカエルの物語ー中国で月にカエル、仙薬を飲み上昇し月に到達、月章旗や珍敷塚古墳・柳にカエル、月=夜が基本、

「大唐西域記」とお釈迦様

第六夜・「今昔物語集」に見えるウサギの物語ーインドの仏教説話が載っている「今昔物語」で三つの獣・菩薩の道を行し兎身を焼ける話、基本は動物が前世で罪を犯し動物に堕とされている、原点は「大唐西域記」で焚火に飛び込んだ健気なウサギは修行中の菩薩、「甲巻」の動物は「月の世界の生き物」、第七夜・「ジャータカ」の動物たちは生き生きとー「ジャータカ」登場の動物は「兎‣獺・猿‣豹」で河の近くに住む、物語の終わりは他の動物たちも天上界に迎えられる、第八夜・インドは月であり、月は釈迦であるー月世界が舞台はある意味正しい、インド=月、西行は死に対しお釈迦様に失礼に当たることから月夜を避け翌日旅立つ、第九夜・木にとまるフクロウは釈迦を象徴するー涅槃図の沙羅双樹に袋はフクロでダジャレ、第十夜・弓矢・相撲とお釈迦様ー大唐西域記に太子が釈族と相撲と弓の競技、第十一夜・「大唐西域記」に登場する動物たちー「求生鹿本生譚」、「雉王本生譚」「鹿王本生譚」、第十二夜・「絵因果経」と鳥獣戯画の関連性ー釈迦が七個の的を強弓で貫く、釈迦族と相撲を取る、白い象がひっくりカエル、釈迦が出家後尼連禅河のほとりで座禅瞑想の苦行を終え河にはいる話

カエルとウサギはなぜ相撲をとっているのか

第十三夜・鹿の背に乗るウサギは蘇跋陀羅であるー鹿が最後にウサギを背に乗せて河を渡す「梵志善賢」に鳥獣戯画を制作する強い動機、お釈迦様の最後の弟子蘇跋陀羅=ウサギ、第十四夜・明恵上人と鳥獣戯画甲巻ー明恵上人は高山寺開祖、月の歌が多い、貞応2年5月23日の夢は鳥や動物、「梅尾明恵上人伝記」で動物に父母をみる、天竺計画、「大唐西域記」訳、法然上人批判、第十五夜・ストーリーを整理するーウサギや猿が水泳する場面は清滝川、ウサギ=明恵上人、サルは法然上人、川の岸辺でウサギが鹿の上に乗る場面はウサギは釈迦最後の弟子善賢、ウサギとカエルの弓矢競技の場面でカエルは釈迦、サルの僧侶が牡鹿受け取る場面で、乱獲を防ぐため二群の鹿から交代献上でお腹に子供ができ代わりに鹿王が自分を食べてくれと名乗り出て以後鹿狩りがなくなった、カエルが腹を見せてひっくり返り、犯人と思われる猿をウサギとカエルが指差しで追うシーンは「絵因果経」の白い象、雉王本生譚は釈迦の前世の姿、ウサギとカエルが相撲を取る場で相撲競技でウサギは明恵上人、あるべき姿・魂の肖像画、サルの僧正がカエルの本尊にお経をあげるは場面は法要の場面、サルの僧正が仏事後に礼物を受け取る場面は批判していたこと、

鳥獣戯画と明恵上人

第十六夜・明恵上人の際立つ個性ー明恵は玄奘と深い因縁のある人です、明恵は島(刈藻島)に恋文を書いた物狂おしい人です、明恵はお茶目な人です、明恵は話の長い人です、明恵は強い自己客観性の持ち主です、明恵は常に何物にも仏性を感じる方です、明恵は繊細で女性にもてた方です、明恵は剛毅な人です、明恵は学問に厳しい人です、明恵は著作の多い人です、明恵は悪口が嫌いな人です、明恵はお酒を飲まない人です、明恵の生き方の根本は「あるべきようは」という七文字です、第十七夜・菩薩心絵巻ー画題がインドのお釈迦様にまつわる物語から発していることが分からないようにした、明恵上人の制作は承久3年前、第十八夜・日本の君主論ー上人と泰時との関わり、

まとめ

鳥獣戯画甲巻の魅力は明恵上人の魅力、「大唐西域記」を手にとってから絵巻に張り巡らした様々なイメージを再構成することでした、本書は月と鳥獣戯画、「大唐西域記」とお釈迦様、カエルとウサギはなぜ相撲を取っているのか、鳥獣戯画と明恵上人で構成