本書は日本を代表する歓楽街「新宿歌舞伎町」の歴史をたどってみたもの、著者は法政大学卒業、新宿区役所入所、2016年歌舞伎町タウンマネージメント事務局長、
江戸時代ー徳川家「西の守り」として
行楽地「内藤新宿」の賑わい、江戸切絵図でわかる・多様な住民たち、「新宿」の地名のおこり・内藤新宿、「現歌舞伎町1丁目」幕末に現れた射撃場、最初に居を構えた旗本「城」家、「古狸」と称された石川太郎左衛門だが・祖父は立派だった、「角筈調練場」を開設、「現歌舞伎町2丁目」鉄砲百人組の屋敷が広がる、鉄砲百人組の組頭を務めた久世三四郎、ツツジの栽培を副業に、鬼玉神社に残る刀傷、「ゴールデン街2丁目」定火消・本多対馬の守の下屋敷、定火消しを務めた・本多対馬の守、新宿の総鎮守・花園神社、
明治時代ー新宿駅ができるも「郊外」の香り漂う
宿場町は、新宿遊郭に/内藤家の屋敷は新宿御苑に、宿場町跡に広がった・新宿遊郭と牧場近代農業・近代園芸の曙、「現歌舞伎町1丁目」「大村の森」が出現、「裏」の町名はなぜついた、大村伯爵邸の「鴨場」、「真珠養殖の祖」としても有名人、ブドウやメロン・イチゴなど・西洋由来の青果はここから、「現歌舞伎町2丁目」作家島崎藤村も暮らした住宅街、「避病院」の歴史を背負う大久保病院、植木屋の借家で生まれた・島崎藤村の処女作、淀橋浄水場や新宿駅ー近代インフラ施設が続々と、コレラ対策として生まれた淀橋浄水場、華族の子弟も通った四谷第五小学校、「通勤ラッシュ」が始まる、
大正時代「大村の森」は「尾張屋の原」に
「現歌舞伎町1丁目」歌舞伎町の礎を築いた実業家・峯島喜代、大正評判女番附トップに君臨、大旦那として目を光らせる、尾張屋は「質屋の質屋」、西南戦争で公債を買い上げる、符号さん開発に乗り出す、尾張屋銀行の設立、歌舞伎町の土地を購入・弁財天を請来、東京府立第五高等女学校設立への寄付、孫文の結婚式と大スポンサー梅屋庄吉、写真館や映画会社で成功を収めた梅屋庄吉、大久保の邸宅で開かれた・孫文夫妻の結婚式、遊園地やサロンの出現ー文化の香りが芽吹く、牧場跡に移った新宿遊郭、動物園もあった新宿御苑、新宿に遊園地があった、大正時代の文化の拠点・中村屋
昭和戦前ー喧騒を抜ければ女学校や住宅地に
「現歌舞伎町1丁目」女学生が通った緑白色の校舎、東京府立第五高等女学校の日常、「現歌舞伎町2丁目」総理大臣も暮らす高級住宅地に、「国を思う大狸」・第31代総理・岡田啓介、秋霜列日な人・第35代総理・平沼騏一郎、戦わない将軍・第36代総理・阿部信之、東南アジアの留学生を支援した国際学友会館、鈴木三重吉と赤鳥社、サラリーマンやモダンガールが行き交う繁華街、駅・市電・青バス・大通李など主要インフラが整う、淀橋区が成立「大東京」の傘下に、デパート・書店…新宿駅東口が繁華街になっていく、文化の殿堂・紀伊国屋書店、新宿デパート戦争、武蔵野館・帝都座・ムーランルージュ新宿座、
戦後①「歌舞伎町」を創った人びと
「現歌舞伎町1丁目」町会長・鈴木喜兵衛の復興計画、イギリス仕込みの商業道徳、空襲で焼け野原に、日光中禅寺湖で起こした「復興計画」、道義的繁華街「歌舞伎町」をめざして奮闘、大地主・峯島家の大いなる理解、歌舞伎町の名付け親・石川栄輝、興行街のプランと特徴・先進的、歌舞伎劇場が造れない?「菊座」の顛末、国際百貨店計画、インフラが整い歌舞伎町復興祭を開催、多額の負債を抱えた「東京産業文化博覧会」、東京産業文化博覧会の後始末・興行街、都電の靖国通りへの移設、西武新宿駅の誘致、鈴木喜兵衛によるまちづくり
戦後②「歌舞伎町」を彩る人びと
「現歌舞伎町1丁目」映画館や劇場が林立し/大興行街に発展、台湾人実業家・林以文と歌舞伎町初の映画館「新宿地球座」、オデヲン座の開館、新宿ミラノ座、新宿コマ劇場、闇市と青線、尾津喜之助がやって来た、光は新宿よりー日本初の闇市の誕生、地権者からの告訴、闇市から青線・そしてゴールデン街へ、「現歌舞伎町2丁目」ホテル街・ホスト街への変貌、焼け野原に生まれたホテル街、ホストクラブの誕生、性風俗店が増加し「怖いまちに」、売春防止法を契機に性風俗店増加、雑居ビルかさいが発生、官民を挙げたパトロールを実施、シネシティ広場の変化、心とお腹を満たす、名店が誕生、映画・演劇のまちには名喫茶がある、おいしい料理に舌鼓、
未来ー世界的なエンターテインメントシテイへ
24時間稼働の世界的繁華街へ、新宿tokyu milano跡地に新施設誕生・東急歌舞伎町タワー、まちに広がるエンターテイメント、新宿グランドターミナルとの連携、復活する摩天楼構想、
まとめ
①江戸時代②明治時代③大正時代④昭和戦前⑤戦後⑥未来、怖い街から楽しい街に街へ、縁あって歌舞伎町を職場として関わってきた著者の思いが伝わる、