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絵画

奇跡の発見 辻惟雄 書評

本書は美術史家・辻惟雄の回顧録です、美術史家の体験を幼年時代から定年後の転々まで回想したものです、著者は東京大学院博士課程中途退学、東京大学・多摩美術大学名誉教授、MIHO・MUSEUM館長

名古屋の幼年時代

没落した米商人の家に生まれる、大叔父辻欽太郎、女装と幼稚園時代、焼ける前の名古屋城

岐阜の少年時代

岐阜に移る、徹明小学校入学、「長靴の三銃士」を愛読、太平洋戦争と空襲、

中学生時代

敗戦の放送を聞く、日記が始まるー物忘れ、バラック校舎へ天皇が、進駐軍とパンパン、絵画班と写生、武者小路実篤「美術を語る」に感心、

上京と受験

学区制に失望、日比谷高校に編入、受験勉強と展覧会巡り、東大理科Ⅱ類にパス、母方の祖父・伊藤晋三郎のことなど、

大学生時代

発疹チフスで入院・錯乱、寮生活で不調を脱す、成績不良と絵画への関心、医学部あきらめ美術史に、東大セツルメントと加古里子さん、美学美術史科に進む、ブンジ君と山本緑(若桑みどり)さん、卒業論文で日本美術を選択、砂川基地闘争に参加、

大学院時代

母亡くなる、初振られ・草野球のピッチャー、大学院入試に合格、画家をあきらめる、川原温らのアトリエ訪問、吉川逸治先生、修士論文を書く、小田実に会う、樺さん事件、臨時沖仲仕となる、奥本君の死、

上野の森での10年

美術研究所に入るー直前のヘマ、日記はこの辺で終わる、美術研究所での仕事、ノミスケ君との勝負とストーブ事件、遂に降参・結婚、税務署はこりごり、修士論文を読み返す、プライス夫妻と伊藤若冲、田中一松所長、蕭白筆「群仙図屏風」と出会う、戸田テイスケ君の災難、「江戸のアバンギャルド」連載を頼まれる、狩野山雪と天球院襖絵、マニエリスト山雪、あと一人は歌川国芳、「奇想の系譜」を出す、東大紛争にカンパ、「動物綵絵」を見る、

仙台の10年

東北大学に赴任、福井李吉郎先生、「北斎の眼と魔術」「若冲」を書く、東北大での授業、初の渡米、プライス邸の奇抜さ、東海岸に向かう、東北での生活、プリンストンでの家族生活、父の死、山根先生と米国旅行、

仙台から再び東京に

「奇想」から「遊び」へ、東北の円空仏見る「江戸の宗教美術」を出版、韓国旅行、東京へは戻れない、高階教授からの電話・東大併任となる、鈴木敬先生と湯治小屋、厨子に引っ越すー遂にダウン寸前、JAWSの発足、山下裕二氏の洋服売り場勤め、北京での授業、「奇想の図譜」「日本美術の見方」「戦国時代狩野派の研究」などを出版、河野先生と笑い茸、

定年後の転々

梅原猛氏にプロポーズ、学者のパラダイス、日文研にお別れ・千葉市美術MIHO館へ、インドを見る、蕭白展と大野一男公演・高畑勲さんが現れる、多摩美術大学に移る、多摩美でのアーティストとのふれあい、北京清華大学での講演、学長職は楽でない「カザリ」は不要とクビ、「日本美術の歴史」を出版、MIHO・MUSEUMの館長となる、桃源郷での展覧会・村上隆さんとのコラボ、芦雪展と東日本大震災ー若冲が来てくれました、忘却の彼方へ、

まとめ

芸術新潮の連載で、前半が時代に翻弄されながら自分の進路を見出すまで、後半が日本美術全体に視野を広げたものとなっています、偶然の大半が私に味方したと語っています、