本書は日本の自然に触れた、採取文化である山菜・海藻の探検旅行記である、著者は新聞記者・翻訳者・ライター,2005来日ジャーナリストとして活躍、全国各地に足を運ぶ
春の新緑
①熊本ー秘伝の天ぷら、阿蘇のカルデラ、花岡玲子さんと利和さん夫妻、春の初めに薬草を、天ぷらは魔法の調理術、②長野―アファンの森、C・W・ニコル・アファン森と高力一浩さん、日本の里山、ギョウジャニンニクの香ばしさ、③福井ーフキの葉包みのおにぎり、芸術家夫婦の金明姫さんとロバート・コワルチックさん、新しい緑の生命、金明姫さんの「フキの葉包みのおにぎり」
トチノミの盛衰
①滋賀-トチノミを食べて生き延びた日本人、トチ餅に惹かれて、「巨木と水源の郷をまもる会」の発表会へ、栃餅ぜんざい、②トチノキとトチノミの歴史、古代人のもっとも重要な食糧、トチノミは不要な食材に、③トチノキを守れ、市場価格を大きく下回る価格で売買、嘉田元県知事も参加、④トチノミを作る人たち、灰汁抜き、樹齢300年の老巨木にふれる、トチ餅風「栗餅あげだし」
ワラビの二面性
①岩手ー中世から伝わるワラビ餅、たくましく勢力を広げるシダ植物のワラビ、最悪な雑草か、貴重な贅沢品か、奥羽山脈に囲まれた豪雪地帯へ、ワラビは長い冬にたくましく成長する、富裕者・貧者を問わず大切にした歴史、ワラビの根茎を掘り出す、沢内年代記、上杉鷹山と食の手引き「かてもの」、銅山の町として栄えた西和賀、「野草」を畑で栽培して売り出す、狩猟と農耕はどちらがよりよく、安全だったか、②ワラビは貧しさの象徴か?高貴な食べ物か?本物のワラビ餅、言葉にできない歯ごたえ、狩猟採集社会のロマンと 滅多に味わえない本ワラビ粉、西和賀町の「ワラビ海苔巻き」
天然物でもあり栽培物でもあるタケノコの物語、
①京都―魅惑のタケノコ、老舗「うお嘉」の五代目店主、タケノコは栽培食物か?店に届いたタケノコ、②タケノコで世界を変える、どこまでもこだわる、「たけのこ大使」、③モウソウチクの仕入れに同行、タケノコ作りの職人たち、大厨房は大忙し、④たけのこ会席を味わう、店そのものが芸術品、⑤秋田ータケノコとマタギ,チンマザサを求めて、マタギになった街育ち、採りたてのタケノコ、うお嘉の「鏡煮」
海藻の消えゆく伝統
①徳島―天然ワカメを求めて、魚介類や海藻は日本の食文化に欠かせない、鳴門海峡を目指す、採れたての養殖ワカメを食べてみる、恐るべき速さで成長するワカメ、養殖に切り替えて失われたもの、海藻の食用需要の歴史、②ワカメの水揚げ、アルデンテな歯ごたえと甘味、生ワカメのしゃぶしゃぶ、③石川・能登ー歴史と生きるアマ、200種を超える海藻を育む豊穣な海、アマという仕事、つばき茶屋、アマの島、④大きなものを失いつつある、海藻の町、地元の海藻産業を活性化したい、北迫の「生ワカメのしゃぶしゃぶ」
天然食物と共に生きてきたアイヌ
①北海道ー狩猟採集とアイヌ民族、アイヌによる天然食物の食し方、伝統を伝える人たち、抑圧され続けた歴史、アイヌ文化の復興、②二風谷再訪、アイヌの伝統料理、あらゆるものが詰まった世界、大勢で食べる山菜汁「キナオハウ」
野草・海藻ガイドーこのガイドの成り立ちと願い
まとめ
①春の新緑②トチノミの盛衰③ワラビの二面性④天然物でもあり栽培物でもあるタケノコの物語、⑤海藻の消えゆく伝統⑥天然食物と共に生きてきたアイヌ、野草・海藻ガイド、日本の採集文化・山菜や海藻を探す風変りな旅を味わってほしい、