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砂糖の日本史 江後迪子 書評

武家の食生活から中世の食生活を知り、南蛮菓子の調査から砂糖の来歴を調査したいと思い今回砂糖についてまとめました。著者は実践女子大学院修士、別府大学短期大学部教授をへて現在フリーで活動

我が国における砂糖の歴史

砂糖以前の甘味は蜂蜜・飴、甘葛煎、奈良時代は鑑真の積み荷と正倉院の種々薬帳、平安時代は砂糖の贈答、中世の記録にある砂糖は、進物・茶会・手土産・砂糖餅・羊羹、杭州で生産されていた砂糖、勘合貿易によって運ばれた砂糖、京都・堺で売られていた砂糖、中世の砂糖のひろがりは芸能関係に及ぶ、中世の御成・茶会記に見る砂糖

日本料理の基礎となった中世の茶懐石料理

本膳料理の始まりで茶会記をみる、茶懐石にみる中世の料理法から日本料理の基盤ができる、中世の御成・茶懐石にみる食品①魚類ー鯛、鯉・フナ・ふぐ・鯨②貝類ーあわび・貝つけ・さざえ・にし・赤貝③鳥類と玉子類ー雁・白鳥・うずら・鶴・雉④獣類ーたぬき⑤野菜類ーごぼう・大根・うど・香の物・松茸⑥豆類ーとうふ⑦果物類ー栗・柿・みかん⑧菓子類ー自然菓子といわれる果物と唐菓子である椿餅と歓喜団・油物と喫茶の風習から饅頭・羊羹⑨酒類ー練酒・葡萄酒⑩その他ー飯類は・ず飯・くじら飯・汁かけ飯・奈良茶・ひえ飯、麺類はそうめん・にゅうめん・冷や麦・うどん、

中世の茶会の開催地は奈良・堺・京都・大坂、中世の御成・茶懐石にみる各地の名物は西宮と伊勢の鯉・若狭のいわし・鯖・松前のくじら・京菜・尾張の大根・朝倉山椒・「宇治・伊予・蜂谷・濃州・美濃の柿」・ぶとという菓子・奈良漬や法論味噌、中世末期から行われた嘉定は「武徳編年集」に秀吉嘉定・「嘉定私記」に江戸城での式のようすが記載、大量の菓子が家臣に配られる

江戸時代の砂糖

平戸時代から長崎時代まで、砂糖はシナジャンク船で大量に運ばれた、江戸の土用は氷砂糖・今は鰻、奄美大島で国産最初の砂糖生産、砂糖の大量消費で十組問屋が作られる・保護政策、菓子屋に対する砂糖の配分が必要になる、料理書にみる砂糖「料理物語」、長崎街道をシュガーロードともいう、街道経由回船で・京・大坂・堺にあった長崎問屋に運ばれ荷受けされて全国流通、砂糖を主原料とする菓子は金平糖と金花糖

まとめ

菓子の研究から主原料ともいえる砂糖の来し方を調べたい、わが国における砂糖の歴史、日本料理の基盤となった中世の茶懐石料理、江戸時代の砂糖までをまとめています。