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酒 𠮷田元 書評

本書は、「ものと人間の文化史」シリーズとして古代酒に重点をおき、飲み方や酒器など文化面をいれた通史です、著者は京都大学卒業、農学博士、種智院大学名誉教授、

はじまりの酒

果実の酒、でんぷんの酒、口嚙み酒、モヤシ利用の酒、カビ利用の酒、酒の事例、日本列島でつくられてきた酒ー果実酒、イモ酒、麦酒、雑穀酒、米の酒、奄美のミキ、日本酒づくりの技術は一麹、二基、三造り

神酒

酒と神ー伊勢神宮、春日大社、大神神社、松尾大社、日前・国懸神宮、宇賀神社、技術から見た神酒ー伊勢神宮、春日大社、大神神社、出雲大社、宇賀神社、御座石神社、莫越山神社酒殿は神酒醸造、

古代日本の酒

「古事記」「日本書紀」に見る酒、「万葉集」にみる酒、造酒司(宮内省直属)の酒づくりー御酒、御井酒醴酒、三種糟、擣糟、頓酒、塾酒、汁糟・粉酒、釈奠の酒、その他白酒・黒酒、造酒雑器、大嘗祭と白酒・黒酒、酒造道具類、その後の白酒・黒酒ー大臣大饗、式三献、五節句、長岡京醸造所の発掘調査、

中世・戦国の酒

鎌倉武士と酒ー「徒然草」、「狂言」、「職人歌合」、京都の酒屋、幕府の酒造統制、手づくり酒、地方の酒、蒸留酒、僧坊酒ー天野酒、菩提泉、興福寺の酒造技術ー段掛け、寒造り諸白造り、火入れ、僧侶の飲酒、公卿と酒ー十度飲み、十種酒、酒迎えは長旅の無事を祝う、武士道は出陣の酒、外国人による日本酒の評価、日葡辞典からみる酒は燗酒、

江戸時代の酒

幕府の酒造政策と酒株ー伊丹、池田、灘・今津、その他、酒造技術書ー「童つよくない蒙酒造記」、精米、設備と作り手ー酒造、地下室、蔵人、酒の輸送ー桶と樽、新酒、販売、新川酒問屋、中汲み(濁り酒)・諸白・白酒、地廻り酒屋と御免関東上酒(西高東低の酒造業)、関東地方の酒屋、朝鮮人による日本酒は強くないの評価、千住の大酒会、

化成期金沢の食文化

城下町の生活、家族、食材ー魚介類、鳥類、料理の献立ー茶懐石、精進料理、祭りの献立、報恩講の献立、料理屋、弁当、外食、油料理・肉料理・異国料理、濁り酒造り黙認、その他発酵食品、天保飢饉で食物不足の記事はない、

凶作と飢饉の中で

八戸藩は高い酒から制限、軽米の酒造りは中止、三戸は倹約令ー濁酒仕組み法、イモ酒、自家用酒、津軽ー凶作で酒造り停止

酒の器

飲酒器ー柏の葉、瓢、塗盃、猪口、可杯、ガラス盃、注酒器と温酒記、運搬容器と貯酒器ー瓶子、錫、壺、太鼓樽、角樽、指樽、結樽、徳利、ガラス壜、紙パック、醸造容器ー甕・瓮、桶、

まとめ

中世、江戸、近代と三冊の本にまとめ、残った古代の酒を書かないと歴史がつながらない、やらねばならぬと通史が完成したもの、構成は、はじまりの酒、神酒、古代日本の酒、中世・戦国の酒、江戸時代の酒、化成期金沢の食文化、凶作と飢饉の中で、酒の器