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政治

ロマノフ家12の物語  中野京子 書評 

本書は絵画で読み解くシリーズで世界史に多大な影響を及ぼしたロマノフ家の物語、著者は作家・ドイツ文学者

前史

プロイセンの地からロマノフ家の始祖・イワン雷帝、「イワン雷帝と息子イワン」は雷帝の息子殺し、雷帝死後フョードル戴冠、実質支配したボリスは雷帝の息子「ドミトリー」を追放、ボリスの息子をフョードル2世としたが暗殺される、3年の空位とポーランド侵攻の後ツアリー選定で「ミハイル・ロマノフ」の戴冠、

1ワシーリー・スリコフ「フュードシヤ・モロゾフ」の逮捕劇

時はミハイルの息子「アレクセイ・ミハイロビッチ・ロマノフ」の代、ロシア正教の「総主教ニコン」の宗教改革でアレクセイは「フュードシヤ・モロゾフ」を死刑、前年に「ステンカラージンの処刑」、農奴制法制化、後継者指名せず病死

2シャルル・フォン・ステュイベン「ピュートル大帝の少年時代の逸話」銃撃兵による反乱でピュートル母子

フョードル3世即位、世継ぎを決めず病死でピュートル1世、フョードル3世の姉「皇女ソフィア」暗殺未遂事件で弟をイワン5世、ピュートルを共同統治に格下、姉弟戦争でピュートル勝利、ヨーロッパ視察、祖国の泥臭さから「ピュートル一世のヒゲ切り」、北方戦争の勝利で二流国へ

3ニコライ・ゲー「ピュートルと息子」尋問を受ける期待外れのアレクセイ・死刑判決

新都建設「建設中のサンクトペテルブルクを視察するピュートル大帝」、愛人マルタにモノマフの帽子をかぶせ戴冠式、エカテリーナの名を与える、ピュートル死後「エカテリーナ1世」の誕生、治世2年で病死

4カルル・ヴァン・ロー「エリザヴェータ女帝」

ピュートル大帝の孫がピュートル2世として戴冠、3年足らずで病死、イワン5世の娘アンナ戴冠「アンナの野卑な宮廷」、逝去後アンナの姪がイワン6世戴冠、エリザヴェ―タはクーデターに成功、親仏路線・改革実行

5コンスタンチン・フラヴィツキ―「皇女タラカーノヴァ」独房

エリザヴェ―タは姉アンナの息子をピュートル3世とし、皇太子妃に少女ゾフィー「皇太子妃エカテリーナ」、ピュートル3世はプロイセンのロシア軍撤退と命がけの夫婦喧嘩、勝負はエカテリーナ

6ウイギリウス・エリクセン「エカテリーナ2世肖像」・女帝の背の低さ

エルミタージュ美術館の基はピュートル大帝・拡充はエカテリーナ、農奴制による絶対主義啓蒙思想は国を弱体する考え、知識階級が富国強兵をを支える、愛人21人、後継ぎ息子はパーヴェル1世、エカテリーナの逆を行く政策でクーデターで殺害される、

7二コラ=トゥサン・シャルレ「ロシアからの撤退」・亡者の行進

王座は孫のアレクサンドル1世、他者への良い顔と他人の思惑を蹴散らしてやり抜く胆力①父殺し②対ナポレオン戦争とナポレオンのロシア遠征、

8ジョウジ・ドウ「アレキサンドル一世」

戦後処理と各国の思惑、手ごわいタレーランとメッテルニヒ、ナポレオンの百日天下、ウイーン議定書、国内政治を軍人「アラクチェーエフ」に丸投げ、特筆される屯田制度、アレキサンドル逝去後クジミーチ忽然と現れアレキサンドルの仮の姿とされた

9イリア・レーピン「ヴォルガの船曳」・踏みにじられる人々

王座についた弟ニコライ1世、続く恐怖政治、「思想犯の逮捕」ドストエフスキー、凍土を押し上げ芸術花咲く・ロシア文学とロシア音楽、ニコライ1世はクリミア戦争で敗北後病死嫡男アレクサンドル2世戦後処理、問題の農奴解放令発布と農民一揆、治世の終わりに自閉・恋多き男性として生き、そして暗殺された、息子のアレクサンドル3世がこの路線継承しロシアは近代化に向け驀進

10山下りん「ハリストス復活」日本人女性によるイコン

ロシア正教会で洗礼、ペテルブルグでイコン修行、イコン制作は平板な描法から近代的イコンへ変貌、ニコライ皇太子への献呈品政策依頼、ニコライが日記に大津事件記する、山下りんのイコンはアゾフ号へ郵送、現在はエルミタージュ美術館が所蔵

11ボリス・クストーディエフ「皇帝ニコライ2世」・印象派風肖像

アレクサンドル3世は、有能なウイッテの経済政策が功を奏しロシアは工業国に転身、長男ニコライは青年期まで幸せ満喫、家族を人一倍大切に、母親に逆らったのが運命の結婚・血友病、父のアレキサンドルは息子の結婚式の前に急死、戴冠式の貧民への施しで殺到圧死者ロシアとフランスとの蜜月は英仏露三国協商につながる、日露戦争は国内情勢の再悪化から民衆の目を外に向ける必要から、結果はニコライの惨敗、血の日曜日事件、待望の皇太子アレクセイ誕生・血友病

12クロカーチュヴァ・エレーナ・ニカンドロヴァナ「ラスプーチン」怪僧

ラスプーチンは農夫、僧になりニコライ2世の日記に登場「神のごとき人間」、ラスプーチンは祈祷でアレクセイの命を救う、反ラスプーチン派はラスプーチンを暗殺、第一次世界大戦、革命勃発で一家は抹殺

まとめ

ロマノフ家の始祖はプロイセン・イワン雷帝、ミハイルの戴冠、アレクセイの弾圧、ピュートル大帝誕生で2流国へ・新都建設と領土拡大、エカテリーナ1世、ピュートル2世、アンナ、エリザヴェ―タのクーデター、タラカーノヴァを拘禁したエカテリーナ2世は最大女帝・絶対君主で限定した啓蒙主義者、アレクサンドルは父殺しとナポレオン戦争、内政はアラクチェーエフに丸投げ、ニコライ1世は恐怖政治継続、アレクサンドルの問題の農奴解放ニコライ2世の日記に記した山下りんのイコン「ハリストス復活」、ニコライ2世の運命の結婚・血友病と日露戦争敗北、ラスプーチンは祈祷による皇太子の命を救う、第一次世界大戦・革命勃発で一家抹殺を名画で読み解く、