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縄文農耕

縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか 大島直行 書評

本書は、縄文時代、死者はどのように考えられてきたかについて文献から追求したもの、著者は札幌医科客員教授、日本人類学会評議員・日本考古学協会理事、北海道考古学会会長歴任、医学博士

死の発見と心の起源

①人はいつ、なぜ死を知ったのか、生得的、②信仰や宗教は遺伝するのか、認知的流動性、③心の理論と適応的錯覚、④なぜ死者を葬るのか、死と再生のこだわり、⑤アミニズムとシャーマニズム、霊魂、⑥祖先崇拝も遺伝なのか、家と祖霊感、⑦「融即律」の可能性、

ものの形を決める心のメカニズム

①先史・古代人の心に迫る、②普遍的無意識とは、ユング③元型とイメージ、元型の存在、④グレートマザーと「死と再生」のイメージ、重要な元型、⑤シンボル・シンボライズ・シンボリズム、イメージをシンボルに変える能力⑥シンボリズムの中核は「月」の象徴作用、⑦レトリックが形をつくる、縄文人の誇張法、

民族学・民俗学の力を借りる
①なぜ日本の考古学者は民族学・民俗学を嫌うのか、本質的議論が必要、②民俗考古学と土俗考古学の役割、文化の斉一性・普遍性、③普遍的認知の見極め
土器に見る子宮的性格

①土器はなぜ墓に添えられるのか、土器の子宮的性格、②土器は単なる鍋か、③縄文土器の形はどのように決められたか、死者の甦りや新しい命の誕生を願う道具、④縄目模様はなぜつけられたか、女性の身ごもり期待、⑤縄文土器と世界観、岡本太郎、⑥子宮的性格についての考古学者の発言、⑦縄文土器は再生のシンボル

ムラや家の子宮的性格
①旧石器時代のムラも環状なのか、月のシンボリズム②縄文ムラはなぜ環状なのか、グレートマザー元型の働き③ムラと家は子宮を象徴、④廃屋墓と敷石住居のなぞ、家を「子宮」に見立てることで家が再生の場所、
ストーンサークルに見る子宮的性格

①なぜ縄文人は記念物をつくるのか、②ストーンサークルはなぜ円いのか、サークルのなかに何かが出入りとイメージ、③ストーンサークルは穴のない墓、

縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか

①縄文人の死生観、再生観念、②なぜ死者を屈葬ににしたのか、再生防止、③民俗学者吉野裕子が考える墓と子宮の関係、常世の国、④民族学・神話学の中の墓と子宮、生命が発する生成の場所、⑤人はいつの世にも子宮に生まれ子宮に還る、墓はよみがえり=再生の場所、墓は子宮、死はなく、あるのは生のエネルギー

まとめ

①死の発見と心の起源②ものの形を決める心のメカニズム、③民族学・民俗学の力を借りる、④土器に見る子宮的性格⑤ムラや家の子宮的性格⑥ストーンサークルにみる子宮的性格⑦縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか、日本考古学は型式分類や編年作業を繰り返しても人の心は解明できない、本書は文献を突破口に縄文人はなぜ死者を穴に埋めたかにつき追及したもの、