本書は東京都美術館のガイドブックです、近代から現代の日本アート史のダイジェスト版ともなっています、1926年の開館から文展・院展・二科展の展覧会場となり、毎年秋に発表されてきました、歴史を振り返り、これからの美術館像が浮かんでくる来るかもしれません
美の殿堂
「芸術の秋」はここからはじまったー石炭王佐藤慶太郎から百万円寄付ー育ての親としての正木直彦東京美術学校長ー宮内庁から敷地無償貸与、旧館と岡田信一郎ー美の殿堂を設計、工芸家具と梶田恵ー家具調度すべて設計、ステンドグラスと小川三知ー小川は岡田・梶田とチームを組み制作、
ニッポン・アート史ダイジェスト
近現代美術史の合わせ鏡ー世界美術や日本の伝統文化の紹介・「現代美術の胎動」、1930年協会と佐伯祐三ー画壇を震撼・興奮の渦、院展と片岡球子ー「ゲテモノ」を貫く、文展と朝倉文夫ー官展系で活躍、紀元2600年展と梅原龍三郎ー北京の街に魅せられる、戦中・戦後と藤田嗣治ー戦争記録、対極主義宣言と岡本太郎ー縄文発見、書道展と豊道春海ー書道展の突破口、「国民美術館」と南嶌金平ー無名の一画家、二科展と東郷青児画ー二科会再建、読売アンデパンダン展と赤瀬川原平ー反芸術のるつぼ、「人間と物質」展と中原佑介ー展示の場から体験の機会を与える場へ、「東京展」と寺山修司ー演劇の舞台、
森に溶け込む美術館
仰ぎ見る殿堂から地中に潜る建築へー観覧環境悪化で新館建設・設計した前川国男、新館と前川国男ー都市的空間として上野公園、ミュージアム設計の文法ー①入口までのアプローチ②要として広場③空間の連続④ヒューマンスケール確保⑤飲食⑥素材感⑦風景に溶け込む、コレクションと企画展ー企画展示棟新設「現代美術の動向」、プロセスの鑑賞と公開制作ー教育普及事業、アート・コミュニティと造形講座ー主体的に参加するワークショップの原点、美術館と公開図書室ー武者小路実篤の蔵書寄贈がきっかけ、世界の名品と共催展ーマスコミと共催展、
ニッポン・アート史ダイジェスト1975
アーティストが生まれる場ー公募団体展と美術館デビュー・作家を生み育てる場・上野の森新制作展と澄川喜一で荘厳な旧館展示室・学生時代は具象から抽象・公募という教育システム、新具象彫刻展と船越桂ーで新制作展での目玉の記憶・人物をリアルに表現・タイトルに苦しんだ「夏のシャワー」・励みになった新具象彫刻展、藝大卒業制作展と日比野克彦ー自己表現が生きること・たまり場で探った日比野らしさ「段ボール」再利用・卒制はインスタレーション制作・「とびらプロジェクト」で人材を育てながら展開していきたい(談)
アートへの入口として
現代建築の継承と成熟ーリニューアル工事で尊重した前川国男のコンセプト・いこいのスペース・企画棟建替とアートコミュニケーション機能強化・色使い・集いの場・かたち・家具もの、シンボルマークと吉岡徳仁ー物語性のあるシンボル・造形の原点としてのキューブ・日本を感じさせる立体の色・見る人の心とリンクするかたちを考えシンボルマーク(談)、美術館スタッフのお気に入りー絵はがき越の芝生・三角形のめまい・雨の坪庭・北欧家具に身をゆだねる・新旧のパノラマ・秘密の入口・隠れ家レストラン・のぞき窓の先はひっそりしたベンチ・鑑賞の余韻・レモンイエローの空気、アートへの10のとびらー1世界の名品②書③新しいライフスタイル④作品鑑賞⑤くつろぎ・楽しみ⑥作品発表⑦美術家⑧ミュージアム⑨美術情報⑩アート・コミュニティ
まとめ
東京都美術館は交流棟、中央棟、公募棟、企画棟「特別展」、展覧会はロビー階、レストランやカフェは一階から中にお入りください、美の殿堂、ニッポン・アート史ダイジェスト「旧館」、森に溶け込む美術館、ニッポン・アート史ダイジェスト「新館」、アートへの入口としてで構成