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中国

台湾VS中国 近藤大介 書評

本書は近藤史観による12人の波乱万丈の物語、中国と台湾問題は、日本の問題であます、著者は東京大学卒業、国際情報学修士、講談社をへて週刊現代と現代ビジネス編集次長

国民党VS共産党ー創建世代の栄枯盛衰<孫文・蒋介石・毛沢東>
中國国民党の誕生

始まりとしての日清戦争、1912年、中華民国建国、未熟なリーダー・孫文、若き蒋介石は日本で「東京振武学校入学」、兄貴分・陳其美の暗殺で蒋介石が後継者、「黄埔軍官学校」校長就任、軍幹部養成、中山艦事件で国民党主席

中國共産党の誕生

創建メンバーはわずか13人、ソ連共産党の弟分として産声を上げた、孫文は「中国国民党改組宣言」で「連ソ・容共・労農扶助」、ソ連にかかわる「兄弟党」、蒋介石は上海でクーデター・徹底したアカ狩り、中国共産党・核心グループのメンバー交代・陳独秀排除と親ソ派の台頭、乱世のどさくさで出世した毛沢東「農村から都市を包囲」、「古田会議」決議で紅軍四軍が毛沢東に従う、蒋介石の掃討作戦で紅軍壊滅の危機に立たされる、満州事変後、寧都会議で毛沢東軍権剥奪・周恩来に代わる、事変で蒋介石は紅軍掃討作戦優先、「長征」逃亡中の遵義会議で「毛が謀を立て、周が成し遂げる」関係のスタート、

蒋介石VS毛沢東Ⅰ

日中戦争前、「一強二弱」の状況・国民党と共産党・東北軍閥、張学良によるクーデター「西安事件」で一致団結・第二次国共合作、日中戦争に救われた中国共産党、「援蔣ルート」が強化される、太平洋戦争は中国の権益を争う日米の戦い、8月15日、蒋介石の一世一代のスピーチ・日本の軍閥、旧満州で始まった国共内戦、共産党が「3大決戦」遼瀋戦役・淮海戦役・平津戦役に勝った、

蒋介石VS毛沢東Ⅱ

蒋介石は台湾を「要塞の島」にしようとした、アメリカに打ち砕かれた毛沢東の早期台湾統一の野望、朝鮮戦争参戦と台湾の大陸反攻政策、アメリカが介入しない範囲での台湾攻撃、中国人民解放軍による「金門島奪取事件」でアメリカは台湾を防衛する気はない、1960年代は「中ソ冷戦」「米中接近」「両弾一星」の時代、ニクソン&キッシンジャーは最高の「気の合う相手」2大国を懐柔、中華民国が国連から脱退、中華人民共和国が加盟、日本も中華民国と断交、

台湾VS中国ー三党の権謀術数<鄧小平・江沢民・胡錦涛・習近平・蒋経国・李登輝‣陳水扁・馬英久・蔡英文>
蔣経国VS鄧小平

2代目・蒋経国への政権移行・台湾の守り、台湾の経済発展と優秀な若手本省人の登用、中華民国が「中国の再統一を放棄する」状況に、2・28事件後民進党結党、2代目の最高指導者・鄧小平の登場、アメリカと国交正常化・アメリカが中華民国と断交、「台湾同胞に告げる書」で交流を促す、台湾は中国無視と台湾関係法を成立・女性(国民党)に振られても追う男性(共産党)、蒋経国に最大限の譲歩を示した鄧小平「一国二制度」、

李登輝VS鄧小平、江沢民

台湾を劇的に変えた「台湾のゴルバチョフ」李登輝の登場、蒋介石・経国時代の政治的遺物を改革、立法院に統一、「共産党が勝者で国民党が敗者」という固定観念を逆転させ中華民国の台湾化、鄧小平の「経済をもって統一を促す政策」「南巡講話」で中台交流、「一個中国、各自表述」という「92コンセンサス」は双方は統一を目指すが一つの中国の意味は異なる、積極外交・中華民国の国連復帰運動の加速化の攻防、李登輝総統による戦略的な中国挑発「李六条」、江沢民は反日キャンペーンと李登輝批判・人民解放軍の大規模演習、目覚めた台湾人の反中意識、江沢民が台湾に仕掛けたウソのような微笑外交、「台湾の主張」は中国は七国に分裂せよ、「ドイツの主張」のインタビューで一つの中国から決別、共産党と人民解放軍の強い反発、

陳水扁VS江沢民、胡錦涛

李登輝後継の総選挙で国民党分裂、重々しい気分だった・本命でなかった陳水扁市長へのインタビュー、就任演説での「四不一没有」妥協の宣言、「小三通」金門・馬祖に限り中国と交流、2004年、台湾総統選取材レポートで、李登輝は「陳水扁政権を応援しているが物足りなくて仕方ない」、陳水扁の銃撃事件で、台湾人の悲哀が民進党に勝たせた、胡総書記と連主席の歴史的な会談で五項目合意、2008総統選、国民党政権の復活、民進党の汚職

馬英久VS胡錦涛、習近平

まるで中国語を話す陽気なアメリカ人、馬英九は対中協調、呉・国民党主席を胡錦濤主席と会談させる、陳雲林の海峡両岸関係協会会長訪台はデモに取り囲まれ「恐怖の五日間」、台湾が中国の許可を得てWHO総会へオブザーバー参加を勝ち取る、馬英久は歴史的な中台間の「自由貿易協定」を締結、馬英九政権での日台間取り決めは28件、台湾の学生による反中「ヒマワリ運動」で民進党が国民党に大逆転、66年目の習近平との「トップ会談」が実現、馬英久総統による「14問14答」

蔡英文VS習近平

「李登輝チルドレン」の民進党主席、「脱中国」による経済成長を目指そうとした、習近平による経済・軍事両面圧力・92コンセンサスに答えない・台湾経済を干す、「民主ではメシは食えない」という政権批判受け選挙で大敗北、習近平は「台湾同胞に告げる書 40周年記念重要講話」、「韓国瑜・傀儡政権」をもくろむんだ中国、空前絶後の高得票率を獲得し蔡英文再選、台湾社会を巡る3つの大変化・親中派が絶滅種・趙内向き世代の出現・米中新冷戦に組み込まれる、台湾の全面的な統一を半ばあきらめた共産党、比較的奪取しやすい「小島」に狙いを定める・南シナ海の太平島、

まとめ

蒋介石の残党を壊滅させ、日清戦争以前の姿に復帰させたい共産党と、独自の台湾国家をめざす李登輝チルドレンたち、属国問題は中国の覇権を求めることに起因、12人のそれぞれの権謀術策・腹黒さがわかる、