皆さんおもち食べてますか。本書は京都大学渡部名誉教授と深澤がもちについて描いたものです
モチ性とモチ澱粉
モチとウルチの澱粉ー植物の体内に貯蔵と同化澱粉、貯蔵澱粉にウルチとモチ澱粉、モチ性はウルチに対し劣勢・ニ倍体作物、モチ米の緑化・はぜるー収穫した籾を乾燥するとモチに限り白濁色に変化緑化しない米が混ざると商品価値下落
モチ性の穀類
モチ性の穀類種類ーモチ性穀類は照葉樹林帯、アジヤ栽培稲はモチ品種含むが、アフリカはない、オオムギ・トウモロコシはモチ性あるがアワ・ヒエはモチ性ない
日本のモチイネ
モチイネの渡来ー最初はウルチ、のちモチ、近世以降のモチイネ品種ー宇和島のモチ品種は22%、合津は14%、加賀21%、現代のモチイネ品種ー水稲でウルチ215品種・モチ67品種、陸稲でうるち4品種モチ16品種、
アジア各地のモチイネ栽培
中国西南部のモチイネー西双版納タイ族はかってモチ、現代ウルチ三分の二、貴州省は至る所モチイネ、おこわを主食、広西チワン族は主食ウルチ、儀礼おこわ、タイ国のモチイネー水稲栽培の34%モチイネ、北部と東北に集中、インドアッサムのモチイネーアッサムを除いてモチイネはマイナー、アッサムはモチイネ、マレーシア・ジャワ島のモチイネーマライシアは主食ウルチ、ジャワ島は41中2品種モチ
モチイネ栽培圏の分布と成立
モチイネ栽培圏の分布ー北山で1月から4月モチ常食、毎日食べるのはタイ北部・東北、ミャンマーのシャン州ではモチ米主食、栽培圏の核の部分がラオス・タイ北部・東北、モチ稲作県の成立と変遷ー味覚において粘い食物の執着を背景に成立、現在ウルチ
中国西南部におけるモチ米食品の伝承と現状
雲南省西双版納タイ族の生活とモチ食品ー景洪の市場で紫色のモチ米多く売られ、村人の生活はおこわを日に2回、なれずし・甜酒におこわ利用、とん族の宴会と日常ー宴会料理は酸味のある粥から始まる、モチ食品多彩・毎日モチ、儀礼に見る少数民族のモチ食品ーミャオ族は姉妹節で5色の姉妹飯を食べる、搗きモチは雲南省・貴州省・広西チワン族に限定、粽は日常食べる、中国の酒は黄酒・白酒・薬酒で黄酒はモチ米使用
韓国のモチ米食品と日本との同質・異質
モチ米の伝統的食品ー正月白餅はウルチ、モチ米食品の主なものは薬飯・引切米・花煎・団子・油果、酒は薬酒、韓国の餅と儀礼ー儀礼用はウルチ米・甑餅、年中行事は各名節で祭祀を行い、季節のものを食べる。大半がウルチ米。通過儀礼は出産から回婚礼まで餅が供される。
東南アジア・モチ米主食圏の核地帯と周縁
大陸部の主食としてモチ米食品ーミャンマーの伝統的利用法はおこわ・餅・粽・菓子・酒、タイ北部・東北はおこわ主食、年中行事はモチ米、ラオスはタイと共通点あり、酒はモチ米からラオラオ、島峡の儀礼としてのモチ米食品ーインドネシアはウルチ主食・モチ米は黄色いおこわや竹筒飯の素材、マレーシアは黄色い飯を誕生祝や結婚に用いる
日本の餅の歴史と伝統
餅の歴史ー豊後風土記に記され、柳田国男「食物と心臓」の米の力で力餅の精神的性格に言及、しとぎは神祭の供え物として重要でした。平安時代に年中行事恒例化、儀礼の餅の次第が決まる。鎌倉期は矢口の餅、近世で臼の普及・日常食の餅、日常食の餅とモチ米の食品ー冬の間キビ餅を食べ、モチの保存が図られた
節供にみる餅
正月の餅ー床の間飾りとして年神様に供える、鏡餅は歯固め行事、雛と端午の餅ー草餅は古い、粽は中国から、柏餅は近世、氷の朔日と亥の子ー6月1日氷の朔日で餅、亥の子餅は10月亥の日に食べる
歳時と人生の餅
年中行事の餅ー神祭の時がハレ、それ以外ケ、正月と小正月は餅を集中食べ、稲作儀礼と餅ー予祝、田打正月、鍬始め、鍬入れ、穂掛けと刈上げで餅を供える。通過儀礼と餅ー出産から葬式で餅を供える
まとめ
餅は極めて地域・固有性の高い食物で、精神性の高いものです。モチ性の澱粉・穀物から日本と周辺地域の比較を行い、日常生活と儀式に迫ります