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地獄絵

末木文美士・小栗栖健治他 地獄絵の日本史を読む

皆さんは地獄とはどんなところか考えたことありますか

本書は、東京大学末木教授・神戸女学院大学小栗研究員が地獄を見つめなおす必要から描いたものです

構成①地獄とは何か②地獄物語③あの世を旅するからなります

①重要文化財・十王図は、初七日から三回忌までの死出の旅で、十人の王の裁きを受け、罪の重さにおののく様が描かれる。

国宝・六道絵は、苦しみと迷いに満ちた天道から地獄道の世界が描かれる

国宝・六道絵・北野天神縁起は、生前に重ねた罪により、8大地獄が描かれる

国宝地蔵草紙(東博・奈良博)・歴博地蔵草紙・国宝餓鬼草紙は、字が読めない人向けにビジュアルに描いた絵巻物

②立山曼荼羅は、地獄めぐり・女人地獄・阿弥陀聖衆の来迎が描かれる

熊野観心十界曼荼羅は、老いの坂・心の文字・女性地獄・賽の河原・目連救母説と盂蘭盆が描かれる

矢田地蔵縁起は、救済のあてのない身分の信者に、生身の地蔵を描いたものです

仏鬼軍絵巻は仏教説話、仏の連合軍が恐ろしい地獄を清浄な浄土に変える様が描かれる

日本霊異記・宇治拾遺物語・平家物語は、地獄絵とともに、伝承された

③立山の地獄めぐりの見どころは、「布橋大灌頂会」と室堂平の地獄谷一帯

恐山は死者と出会えるところ、地獄めぐりは賽の河原と極楽浜

「死者の国」熊野那智観音浄土詣では、見どころは補陀落山寺から那智大社・青岸渡寺

まとめ

火葬により死のリアリティが希薄になった現代、地獄・極楽を考えるに「地獄絵」はダイレクトにインパクトを与えてくれるものだと