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宗教

そこが知りたい社叢学 社叢学会編  書評

本書は多様な森を社叢と捉え、持続可能な社会の核として果たす役割や意義を発掘していく目的で刊行したもの、社叢学会編、

社叢と神社が果たす役割

①神社のたたずまいー薗田稔、近代化による波にのまれて、犠牲になる森・おおくの原因が神社の社殿化、鎮守の森守る本来の理由を、②歴史に見る社叢の伝播ー岡村穣、古代エジプト・ギリシャの社叢、古代インドの社叢、中国仏教の社叢、北魏・随・唐ではシャマニズム社叢、おわりに鎮守社として手向山八幡宮造営③中山間地における神社の現状と課題ー賀来宏和、歴史を有する式内社・多くは中山間地に、記録保存が重要に・信仰の歴史を守る、式内社を守るべく期待される再調査、④「海の鎮守の森」構想ー葦津敬之、宗像国際環境会議、海水温度の上昇と線状降水帯、宗教と環境問題、⑤社叢をめぐる法律問題ー実務上の留意点ー塩谷崇之、「鎮守の森」が失われゆく原因は神社、神社界における緑を守る規制はあったが社叢を手放し、行政による規制一定の効果あり、社叢の維持管理近隣との関係が、利害調整の方法・踏まえるべき点、㋐隣接所有者からの伐採要求への対応、㋑樹木の枝の落下や倒木による事故、減少する社叢に歯止めをかける、⑥SDGSに関わる生気に満ちた森づくりの使命ー薗田稔、「日本は森の国」森林の宗教文化、近代以降に開発・環境汚染が進み、日本の宗教文化「万物霊性観」が、万物共生目指す森林緑化の実践、⑦身近な森と結ぶ実践の学びー櫻井治男、社叢学の始まり、社叢の特徴には二律背反の魅力、危機の社叢守る・紡ぎたい歴史が、神社界における森を守る活動も、短きなかに趣を・春山と秋山こそ

社叢をどのように保全するか

①神木・名木・その保護の問題点ー渡辺弘之、巨樹・巨木が多くある神社、神木に多様な種類や由緒が、巨木がゆえの切実な問題も、②祭礼・神事で使われる植物ー渡辺弘之、祭事において使われる植物、特色さまざま・植物の使い方、家庭祭祀にも深く関わりが、③社叢を保全・維持するための指針ー濱野周泰、人が創り出した森・その成功例として明治神宮、樹木の個性により社叢を形成維持し、生態系には変化も・課題ある社叢維持、④社叢に対するモウソウダケとニホンジカの脅威ー武田義明・前迫ゆり、モウソウチクが影響した社叢の事例は千里ニュータウン、獣類による影響・行政と連携必要、春日大社の神域・御蓋山の社叢は、⑤樹林の類型から見る鎮守の森の見方と課題ー賀来宏和、神社の樹林地構成・三つの類型に分け、自然の森・経済林・社殿や参道に見られる樹林地、樹林地の存続には課題も複数抱えて、人々が手を携えて守るべき鎮守の森、⑥生物多様性保全と社叢ー南方熊楠が守ろうとした森の価値ー原正利、社叢の生物観察者南方熊楠、社叢の特徴が示す自然本来の姿、社叢と里山の生きものの関係、⑦鎮守の森の自然性評価ー服部保、森の自然性、種数による自然性評価、種数と森の面積の関係、種の内容で自然性評価、⑧森は動くー社叢の順応的管理ー前迫ゆり、生態系サービスもたらす社叢は、自然と人により社叢は育まれて、春日山原始林のゆっくりな動き、社叢を育むための順応的管理とは、⑨景観生態学から見た倒木ー森本幸裕、特別記念物指定の巨樹・巨木林でも、空洞や倒木なども豊かな自然の一部、奥入瀬渓流が示唆・自然の保護と管理、これから望まれる樹木の適切な診断、

社叢と人とのつながり

①吉志部神社の社叢管理と柴金山みどりの会ー武田義明、反対運動起こし豊かな自然を守る、市民による管理-試行錯誤しつつ、管理の甲斐あり景観も変化して、②氏子さんと進める森作りー濱上晋介、社叢を守るべく・さまざま学んで、先人らが繋いだ杜を守る責務が、③鎮守の森の古形と祭りー社と子守ー茂木栄、「万葉集」に見える社、「もり」から「やしろ」、こもりと稲魂の関係、「モリ」は霊魂の守護、④なぜ山を誉める神事があるのかー味酒安則、志賀島」の神社、神は山に坐し、神の宿りし島、山を誉める民、⑤鎮守の森と地域再生・コミュニティー広井良典、現代的課題と鎮守の森をつなぐ、秩父 での小水力発電をめぐる展開、鎮守の森の現代的再生へ、⑥武蔵野国の社叢の現状と「見守り隊」の活動ー木村甫、社殿のない聖域・各所に存在して、「社叢見守り隊」その活動実例は、活動の結果からランク付け、

都市における社叢の機能

①地域の拠り所としての民間信仰の場ー上甫木昭春、「自然生態的」なインフラの形成、コミュニティの拠点の形成、再評価が望まれる地域の歴史資源、②都市における歴史的緑地としての社叢ー糸谷正俊、歴史的緑地として捉える社叢の姿は、実態調査結果からさまざま明らかに、これからの社叢の保全・再生に向け③都市における近現代の社叢の樹種の変化-長谷川泰洋、近現代の社叢での樹種の変化をみる、都市緑地の保全で重要な要素の社叢、再生産されていく近現代の社叢景観、社叢に期待される新たな姿・形とは、④緑のまちづくりと社叢ー糸谷正俊、緑のまちづくり・計画策定率低く、緑の豊かな都市・役割や効果多く、緑のまちづくり・社叢とも接点を、取り組み事例あり・京都・水渡神社、⑤鎮守の森の新たな意義「OECMS]⁻森本幸裕、環境関連の条約が次々と締結されて、生物多様性の損失・感染症の危機招き、ポスト「愛知目標」陸海30%を保全、OECMへの登録・社叢保全に価値が、

災害で社叢が果たした役割

①命を守る築山―日和山と命山ー茂木栄、遠州灘沿いに点在・命山に注目して、中新田命山、大野命山、全国に約80カ所・日和山は造られて、石巻市の日和山、名取市の日和山、現代における命山・各地で造られ始め、②女性宮司に社叢再生の足跡ー前迫ゆり、地域と歩み出す八重垣神社の姿、クロマツと祭事、社叢と社殿再生、これからの社叢、③古社に見る災害の記録と防災ぬ果たす鎮守の森の役割ー賀来宏和、災害時の記録をを伝える式内社が、津波による被害・さまざまな事例、新しい取り組みも・防災拠点に神社、

まとめ

①社叢と神社が果たす役割②社叢をどのように保全するか③社叢と人との繋がり④都市における社叢の機能⑤災害で社叢が果たした役割、本書は神社新報社連載記事を書籍化したもので、社叢学ガイドブック、

社叢を