時代や景気に関わらず、シャンパンは特別なイベント・祝典を象徴する飲み物で、喜びを分かち合うもの。シャンパンはスパークリングワインのうちの一つ、当初の甘口から辛口「ブリッド」誕生、スパークリングワインの売り上げは全ての大陸で上昇、シャンパンの歴史をたどりたい。著者は編集者でワインコンサルタント
シャンパンの起源
最初のスパークリングワインは南仏ラングドックで生産、シャンパーニュ地方のワインが発酵、ドン・ピエール・ペリ二ヨンはワイン畑とワイナリーに新たな技術導入、コルクの栓はガス圧で爆発・石炭ガラスに変え爆発治まる、ドン・ルイナールはスパークリングワイン事業に参入、世界最初のシャンパン工場「ルイナール社」設立、
世界を魅了したシャンパン
国王の戴冠式でシャンパンで祝杯が伝統行事、シャンパン・メゾンの多くが18世紀に草創期、二コラルイナールは、羊毛業からシャンパン販売、ルイ15世はボトルの基準を定め・パリの流行仕掛け人により需要の増大、モエ・エ・シャンドン社は地域最大の生産者・フランス宮廷の熱烈支持、ロシア宮廷でも・アメリカ大統領府でも飲まれた、18世紀のシャンパン商人は仲買から熟成まで手掛け、価格の決定に独占権限、初期の製造会社は家族経営
シャンパン産業の確立
シャンパンの生産は、個人事業から「産業」へ、現在知られている草創期からのメーカーはこの時期設立、ヴーヴ・クリコは業界初のシャンパン販売者として名声を得る、シャプタルは砂糖を加えアルコール度数を高めた、ボトルの洗浄機・高性能のコルク打栓機・ドサージュのための装置がつくられた、シャンパンを巡る「世界大戦」普仏戦争と南北戦争、ルイーズ・ポメリーは「ポメリー&グレノ社」を引き継ぎ、シャンパンメゾンに転換させ成功、この時期多くのシャンパンメゾン設立・しのぎをけずる、「気球飛行」の象徴としてのシャンパン、
世界に広がるスパークリングワイン
19世紀にワイン産地で「シャンパン」と称したスパークリングワイン生産、シャンパーニュ地方の生産者は名前を守る戦い「本物のシャンパン」、素晴らしいスパークリングワインと模倣シャンパン、アメリカは「発泡ワイン」から改善、ブルゴーニュのグロフィエはフルール・ド・シャンパーニュ販売、ドイツ人はシャンパーニュ移住・シャンパンメゾン設立、イタリアは地元生産と南米移住者による生産、アメリカのドイツ系移民のあいだでスパークリングワイン人気・「カトーバ」品種が使われた、アメリカは、中西部やカリフォルニアからニューヨークにもワイナリー急増、オーストラリアに移住したポーランド人はワイナリー設立、シャンパーニュ地方では、伝統的な方式を用いる、大量生産の方式は・二次発酵タンク加圧されたままボトルに詰められる、
激動の20世紀
第一次世界大戦時、シャンパーニュの生産者は砲弾飛び交う共同生活、ロシアではスパークリングワインの生産増大、アメリカでは禁酒法、第二次大戦時フランスはドイツから供給要請、シャンパーニュ暴動は、フランス政府のオーブ県を公式生産地から除外による、モモ・エ・シャンドン社が「ドン・ぺリニヨン」を生み出す、エリザベス・リリー‣ボランジュ はボランジュ社を引き継ぎ、ラベルに「RD]表示、中産階級の肥えた舌を満足さすためより高品質のスパークリングワイン生産、ドイツの「ゼクト」は手軽で安価、オーストリアはオーストリア原産、イタリア北部でも数々のスパークリングワイン・代表的なのがアスティ・ブラケット・ダックイ・フランチャコルタ‣ランブルスコ・プロセッコ、スペインではホモ・ㇻベントスがスパークリングワイン生産・地元産ブドウで「カヴァ」、南アフリカは「キャップクラシック」、南米はチリとアルゼンチン、アメリカは安価な発泡アルコール、フランス・スペインのカルフォルニア進出、フランスのオーストラリア投資
新しい流行 新しい市場
映画の中の粋な小道具、新興国のシャンパン人気、インド・中国・ロシア、気楽に飲みたいーイギリスの市場、注目されるイタリアのプロセッセ・食前酒、変わるアメリカの市場・カルフォルニア産、オーストラリアの真面目なワイナリー「スパークリング・シラーズ」
変わるブドウ畑と呼称問題
ブドウ畑をめぐるシャンパンメゾンと新規参入者との主導権争い、シャンパン生産者は気候変動とブドウ畑でイギリスが競争相手、世界各地のワイン生産者はシャンパーニュ地方の要請を受け、シャンパンの名を使用しない
シャンパンの現在
「ロゼ・ブーム」と「辛口ブーム」は気候変動が引き起こした、「絶対基準」としてのシャンパン
まとめ
シャンパンの歴史を、シャンパンの起源、世界を魅了したシャンパン、シャンパン産業の確立、世界に広がるスパークリングワイン、激動の20世紀、新しい流行 新しい市場、変わるブドウ畑と呼称問題、シャンパンの現在までたどったものです。数奇な運命と生産者のひたむきな「闘い」が明らかになります。