皆さんは、なぜ鳥を採り上げたと思いますか。
本書は、東京大の菅教授が、日本列島に住む人々は、鳥が複合文化の集合体であり、本書は、様相を掘り起こしたものです。
①鳥料理の源流は、縄文時代。平安時代に調理、食べ方が整い、室町時代で手の込んだ料理がつくられました。
②江戸では、「料理物語」刊行、96品目のレシピが解説され、いっくつかの著名な料理人の流派が形成されます。
③やがて、下級武士も鳥料理を味わい、高級鳥料理は、町の富裕層に滲透、料理茶屋が出来、大衆化しました。
④「生類憐みの令」は、資源管理の仕組みを壊し、密猟横行、鷹狩が少なくなり、終焉をむかえました。
⑤東国屋伊兵衛、その水鳥屋は江戸一で、様々な武勇伝を残しました。
⑥幕府は、鷹狩と贈答の秩序維持が第一、江戸の食欲を抑えました。
⑦手賀沼の水鳥猟は、猟師の自然知、技術によって維持されましたが、鷹場の廃止、鳥獣保護により、汚れた沼になりました。
まとめ
日本人が経験した野鳥の食文化消滅の悲劇を教訓としなければなりません。「昔からある一皿の料理を失うことは、人類の幸福にとって一つの星を失うより、遥かに大きな損失である」