JIN Demo Site 8
My Natural Garden & Cafe
フィールドワーク

菅原和孝 フィールドワークへの挑戦を読む

皆さんフィールドワークて聞いたことありますか。本書は京都大学菅原教授他がフィールドワークについて共同執筆したものです

仕事の世界

町を歩けば仕事に携わる人に出会う、仕事研究の最初の難関は、事細かな作業をいかに精確に記録するか、身体にしみついた知識は参与観察、観察体得、仕事世界への探求はどこに焦点を当てるかでかなり違ったものになる。漬物屋調査ではトキメキが伝わらない、豆腐屋観察で全体見取り図が必要、誇り高きサンドイッチマンでは時代と文化が貴賤を作る、友禅染は産業の空洞化に直面

社会とその周辺

社会に充満する見えない力を照らすこと、静岡の県民性・座談会でのカルチャーショック、ホームレスレス研究で根源的問いかけ欠落、釜ヶ崎野宿者と普通の生活の隔てる壁の薄さ、隠された領域ーセックスワークは「働く女性」の問題として吟味する姿勢で貫く、隠蔽される週末ー競走馬の処理は詳細なレポートであるが、馬に対する抗議活動に冷淡、心の痛みがない

コミュニケーションの内と外

行動観察から出発する、コミュニケーションを強いと弱いに区分する必要性。「電車内の行動」の分析軸として、テリトリー・コミュニケーション・ルールでは迫力不足。個室の内と外・公共トイレは冷静に分析している。日常会話を台本化し俳優が上演すると、普通行っている意思疎通の円滑さと俳優たちのプロセスの複雑さを撚り合わされる。自閉症の関りを通じたコミュニケーションを記録は、3年以上の歳月でいくつかの変化をみせる、自閉症児とプールで泳いた後、「冗談の関り」を共有。彦根の腹痛石は触れると腹痛を起こす伝説、デマの強調の法則がある。西浦田楽の役割は民族誌的な文脈での会話分析にある

信じることの手触り

わからない人にわからせること。神託(おみくじ)の大半はJ社で作ったもの、その後連絡途絶える。安藤英里子の「運勢方位鑑定」傍聴記録、鑑定への依存は「救われた経験」。創価学会への参与観察で「実際に拝むこと」ができない、最初に「拝む」というケーキを食べること。勢島奏子はモルモン教信徒の実践を掘り起こし、伝道中の「不思議な体験」、思考の鋭利さにうたれた。

外国人/異文化との遭遇

狭い意味で、自分で外国へ行き、日本にいる外国人と関わること。海外放浪者は集団的・危機管理ない・英語できない・他者と出会うことない、村のトイレ調査集中で、あまりに無頓着、アイデンティティという空虚な概念に呪縛される、著者の思想を血肉化する文体が欠落、青年海外協力隊の2年間の記録は、取捨選択の決断がないこれらは異文化と遭遇したといえない。異邦に向かうのは自分自身に出会うため

振売り 都市に息づく野菜行商ー田村うらら

京都に振売りという伝統的野菜行商が存在、江戸時代には農民は盛んに振売り、明治は専門の振売り業者が活躍、現在専門の振売り業者は姿を消し、生産者の振売りは存続、振売りは洛北からのものが盛んで、販売域は北区域から丸太町を南限、山科の振売りは男性の仕事、フィールドワークを積み重ねデーターも増えある演習で、色眼鏡で見た自分に気づく、収穫中の農家に参与させてもらう、こうして1日のスケジュール、価格、客の振売評価、何故おいしいか、伝統は商品化の中で付加価値として利用されるに過ぎないことが明らかになりました

棚田を守りする人びとー山田有佳

大津市の北西位置する仰木、集落を中心に棚田が囲む、フィールドワークの方向性は仰木のお父さんとの出会い、まず「井瀬親制度」という水の分配システム、仰木の稲作はアラ井瀬立て、田植えの準備、田圃の管理、深刻化する獣害対策、稲刈り、トラクターで耕し整える。井瀬親制度から見えるのは水不足が生じることがなくなり兼業農家で、水の番をする余裕が食べもものに良事業は生産性の向上、困難なのが換地、委員らは地図を囲んで話し合いをしていたが、彼らの心の地図が重要な情報源であった、稲作は厳しい環境を開墾し先祖代々守ってきた、「守りを継続せよ」

生き物を屠って肉を食べるー比嘉夏子

天武天皇による肉食禁止令、その陰で肉を食べた歴史がある、鶏をつぶす体験を出発点に、直接関わる人への関心が深まる。北山の狩猟者を訪れ、狩りの魅力。賭場を訪れ、大半の作業が機械化、人々の語りへ踏み込めず。沖縄の賭場見学、豚の屠畜プロセス・センターの雰囲気に感動、資料収集、沖縄郷土博物館を訪れ、あちこち訪ねてインタビュー、数々の語りから肉食という営みを再考

摂食障害に立ち向かう女たち―高田彩子

私の摂食障害中学からで、やせる喜び、大学で弱り切り、罪悪感。同じ体験を持つ仲間と語りたいおもいで大阪のあるミーティングに参加、味わった感動をもとに摂食障害に立ち向かうと決めた。ミーティングは、言いっぱなし聞きっぱなしがルール、インタビュー調査の手段をとる、結果、ミーティングの力を実感、当事者として立場を明確にすること、最も共感できたのは女性が主体性を持つことの難しさでした

銭湯の行動学―佐藤せり佳

一軒の公衆浴場に焦点、銭湯の仕事は掃除が中心、入浴料も少なくなり、賃貸事業の兼務が多い、調査期間は2002年4月から2003年1月計74日、定期的に入浴・お客の顔を覚え・彼女らの行動をきちんと観察、調査ノートから、普段の様子とお客さんが来る時間帯、常連さんの共有時間、背中あらいっこ、お気に入りの場所、子供に対する気遣い、銭湯でのマナー違反、出会い、を観察した。「はだかの付き合い」「縄張り」「馴染む」

エチオピアのビデオ小屋ー望月幸治

エチオピア行コーヒー調査チームに誘われ、着いてみると、許可、役所まわりでウンザリ、フィルムを見に行かないかと誘われ、ビデオ小屋へ?ビデオ小屋経営者からビデオはアジスアベバから毎月レンタルしていると聞き同行し、バスターミナル近くで宿をとる、レンタルビデオ屋のオーナーはビデオ小屋から始め、電気製品等の販売もしている、フィルム選択人は、タシャカミ(ポーター)の仕事からフィルムの選択を任されたという、二人の話から、語学と生活全般に視野を広げる課題を突き付けられ、アジスアベバで2人の青年と仲良くなり、アムハラ語の勉強しながら日々の生活をおくった。本格的な住み込み調査をしたいと思い部屋を借りる、物価、食、トイレ、仕事を調査。調査で残ったのは、観客はフィルムをどう見てるかだ、エチオピアの都市で生きるための奮闘であり、アメリカの学校賞賛、アメリカの刑務所の自由さである。

まとめ

フィールドワークとは他者について少しでもわかろうとする実践です。実践のために問題の鮮明化、必須な基本概念、をレクチュアー後半はフィールドワークの成果を収めてあります