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コンスタンス・l・カーカー/メアリー・ニューマン 食用花の歴史を読む

皆さん食用花て見たことありますか。本書はコンスタンス・l・カーカーとメアリー・ニューウマンが食用花について描いたものです

古代の歴史

サフラン用クロッカスが最初に栽培されたのがペルシャ、ギリシャ人はサフラン・アーティチョーク等を栽培、ローマ期に「ローマ帝国の料理法と食事」刊行。アジアー中国ではカンゾウ・菊・ハスを食べる、バラは酒にも・薬・食材として用いられた。北部ベトナムのヌン・ジン族は「七色のおこわ」、インドはアーユルヴェーダの治療に使用、アメリカー先住民が花を食す、インカ人は2種類のナスタチウム栽培、カカオを使った飲み物は神聖なものとされ、香りづけに様々な花が使われた

中世から19世紀

中世ヨーロッパ、どこの修道院でも薬草園がありカレンデュラはスープに加えられた。修道士が発見したのがホップ、グローブはモルッカ島原産。やがて貴族や富裕層の庭で栽培、蒸留による精製法を完成させたのがアラブ人、この方法で花のエッセンス水に閉じ込めローズウオーターが作られた。ルネサンス期は食物が「誘惑」から「よろこび」の象徴となり、イングランドでは、ハーブと花、ルリジサやディジーを入れたミックスサラダが食べられ、ジョン・ジェラード「本草書」刊行当時花は大切な食材。ベストセラーとなったのがハナー・グラスの「やさしい料理の技術」。中国では「薬膳の原点 飲膳正要」刊行、インドでは「ルクマット・アル=カディ」と「グラブ・ジャムン」が代表的デザート

ヴィクトリア朝時代から今日まで

花は日常の生活に彩りを添えるための大切な小道具、この時代のモダンな女性たちは様々な料理本を書いている。産業革命期、花の料理は姿を消し、ローズウオーターから安く手に入るバニラに代わる。アメリカは「連邦食品・医薬品・化粧品法」で安全基準要求、今日入手できるのは、バッチフラワーとリディア・ピンカムの「女性の悩みのための植物薬」。戦時中「勝利の庭」が作られたが、終戦後は便利な食事で、花を食べる人も少なくなった。しかし1960年代になると「大地へ帰れ」運動、「ヌーベル・キュイジーヌ」において、食用花は付け合わせとして、食材そのものとして大切にあつかわれた。「美味しい革命-アリス・ウオータースとシェパニーズの人びと」では花を食事に取組み、「シェ・パニーズ基金」創設、学校給食の立て直しを行っている。オーガニック食品を重視した「ホールフーズ・マーケット」オープン、シェフが花を使うことで現代的な地位が与えられた。デンマークの「ノーマ」レストランは流行の最前線、季節の食用花があらゆる料理に添えられる、

アジア

中国で食用菊の栽培は紀元前500年、菊酒は「縁起酒」、「菊花火鍋」は冬の人気料理、広東では「ヘビと菊」の料理、日本の菊は刺身のつま、天麩羅にもなる、アジアではユリは食用目的で栽培され、「羅漢斎」は中国の有名な精進料理金針(乾燥花)も含めて10の食材を入れる。蓮の花は供物に飾られる信徒たちの手で様々に料理される、「甘い五果スープ」は中国黒竜江省の伝統食、東南アジアではバナナの花は様々な料理に使われる、タイでは「ナムプリック」というスパイシーなディップを添え、インド南部では蒸し、カラシの種等混ぜココナッツをふりかけるレシピがある。

地中海と中東

サフランは、ローマ滅亡後大幅減少したが十字軍遠征等で復活、黒死病の効果で需要急増、料理に欠かせないものとなった。地中海から全世界に広まり人気を集めた食用花にアーティチョーク、地中海地域で栽培され、ローマ滅亡で栽培文化失われたが15世紀支配階級の味覚を刺激、イタリアの料理人は前菜として・別の料理として出した。ケイパーはパスタソース・魚・肉料理・サラダにも使われたが、収穫は重労働、最大生産地はモロッコ。オレンジの花ーアラブは、オレンジの白い花を水蒸気蒸留・香りを抽出、オレンジフラワーウオータであるネロリを作り、香料や香水に使う方法を発見していた。オレンジフラワーウオーターは北アフリカや中東の様々な料理・甘いデザートの材料だった、その他、アンチューサ、タンポポ、ミント、ヒソップ、シナモンがある

ヨーロッパ

バラのほとんどの品種の花びらは食べたり・香りづけ・花びらを蒸留してローズウオータにする。10世紀ケーキやクッキィーやペストリーの風味付け、中世は鶏肉やシビエや魚に香りがつけられた、ヴィクトリア朝時代はバラはお茶から菓子、ペストリー、オイル、ジャム、ソースなどの風味づけに人気の花、スミレは薬用になるが通常はお茶、砂糖漬けの形で使われることが多く、ヴィクトリア朝時代大変な人気、ハイ・ティーの際の菓子としてよく出された。古くから治療、殺菌、清浄効果が知られたラベンダーは、ローマ期あまり使われづ、1536年以降貴族階級で広まり室内の空気や衣装をリフレッシュするため用いられ、16世紀に入ると香辛野菜として使われた。ラベンダーの小さな紫色の花は、ロースト料理にふりかけられることが多い、甘味にも使われる、エルダーフラワーは「惚れ薬」の材料として使われ、ヨーロッパ中で多くの料理に使われた

南北アメリカ

先住民は花を医療用に使たことは確かだが、料理にも花を加えた、よく見られるのがホットチョコレートに風味をつけるため花を入れること、カボチャはトウモロコシや豆類と一緒に植えられ、バランスの取れた食事の材料となった、今日カボチャの花はアメリカの南西部やメキシコの様々な料理の中に見られる。マリーゴールドは薬用、死者を弔う祭壇に飾るものとして、食材ととして利用された。ハイビスカスの花と顎は食べたり、ピクルスにしたり、スパイスや食用色素としても用いられた。ナスタリウムがシェフたちや家庭菜園家にも人気なのはカラフルな花と豊富なビタミン

まとめ

食用花の歴史を探っていくと、多くの人々の刺激と好奇心が数々の料理を生み出しています。豊かな食卓に感謝します