いま日本経済が抱える問題点はいつ・どのように生じたか、驚異的な成長をとげた日本の強さの本質から学ぶものはないか、本書は「経済史を歩く」の記事を一部修正まとめたものです、出来事が起きた場所や人物を具体的にたどるようにしました
挑戦ー復興から成長へ
財閥解体-共闘の記念碑は三井本館・理念共有で経営は自己責任、東京通信工業発足ー「世界初」生み出す・内容の充実「規模」を追わず、経団連発足ー時代に合わず・当初は会長不在、IMF世銀加盟ー借款で新幹線0系と高速道路・IMF世銀東京総会、ペンシルロケット発射ー発射を盛り上げる糸川のショーマンシップ・独自発想で前進、水俣病発生確認ー排出停止に12年・東電支援と同じ構図、「もはや戦後ではない」ー経済企画庁の後藤誉之介が国民と経営者に自立を促す警句・白書は「最強官庁」経済安定本部で作成、横やり入り角が取れる、ダイエー誕生ーセルフサービス・急成長は牛肉ですき焼き・デフレで巨額借り入れで産業再生機構入り・土地本位制崩壊、即席めん誕生ー出発点は闇市の屋台のラーメン・チキンラーメンは評判となり大量生産・販売・広告の時代へ・製造特許を惜しまず公開
躍進ー1億総中流の夢
池田勇人の国民所得倍増計画ー知恵袋は下村治・10%の成長主張、結果10%で10年後所得倍増・罪は公害・功は豊かになる道筋実感、農業基本法ー農業人口減少で経営規模拡大と機械化・大潟村は米余りの減反をへて効率的経営実現、他の地域では地価高騰で農地集約進まなかった、「日の丸原油」日本にー山下が目につけた石油、サウジとの合意でカフジ権益の半分持つクエートとの交渉に成功・初の試堀で掘り当てアラビア石油発足・その後カフジ権益延長失敗、千里ニュータウン誕生ー大都市の膨張と住宅難で大阪府による日本初のニュータウン建設・高度成長が止まり人口減と高齢化、「YS11」初飛行ー再起へ官民協力と182機で生産打ち切り・寄合所帯・採算悪化・「日の丸連合」の教訓生かせ、東京五輪ー街全体が工事現場・都市景観の悪化、山一日銀特融ー証券不況で日本共同証券と証券保有組合が株を買い上げ「法人資本主義」の起点・山一破綻で信用秩序維持のため日銀特融・貯蓄から投資へ・証券界は銀行支配下で法人資本主義是正・穴は外国人が埋める、赤字国債発行ー高橋財政を胸に路線変更した福田の狙いは社会資本拡充や減税の財源確保・特例法による景気対策で昭和40年の不況を乗り切る、日本初の原発稼働ー東海発電所を建てた日本原子力発電誕生・背景に電力不足・英国製全て任せる契約・見込み違いや故障の連続・廃炉作業進行中、トヨタカローラ発売ー豊かさを渇望した大衆は隣の車とは違う何かを求める・エンジン型式Zと命名・カローラはトヨタ企業の骨格を決定づける、人口1億人突破ー大和ハウスのプレハブ住宅当たり・自動車も作れば売れる・1億総中流の意識定着・人口オーナス期に、LNG導入ー東京ガスが東京電力とLNG共同購入・利用一気に拡大
変革-成功と挫折の軌跡
新日鉄誕生ーライバル同士の八幡と富士合併・経済学者90人反対で一部変更合併、減反開始ー農家の説得に苦労・共同で効率よく転作・米を中心に野菜も作る複合経営に・減反廃止兼業農家時代ー室内で育てた小さな苗で田植え機の実用化に成功・高度成長を支えた・濃家は機械化で農作業の時間を減らし兼業、ファミレス誕生ーハレ消費の象徴・すかいらーくとロイヤルホストの誕生した背景に資本自由化・高齢社会に対応、日本列島改造論ーたちまち80万部・オヤジの情が詰まっている・佐藤栄作への決別、金の輸入自由化ー政府は53年販売自由化・供給不足で72年まで輸入・ニクソンショックと貿易黒字膨張で輸出自由化を訴える・ピークは80年代でその後急速に衰退している、石油危機ー鹿児島の備蓄タンク空に・産油国の力増し脱石油・省エネの進展、
福祉元年ー岩手県知事・深澤晟雄が高齢者や乳児無料・田中首相や革新の施策後追い・国家財政の重荷に、コンビニ誕生ー原点は共存共栄「成長に限界なし」、新宿カメラ戦争ーヨドバシ対ドイ・メーカーが商品供給を拒否・勝ち抜いたヨドバシ、サミット発足ー75年日米欧6か国の首脳会議・前史はG5蔵相会議、宅急便誕生ー机2つで始めた「官から民」・1年で170万個・役員会を押し切って成功したのは徹底したサービスの追求、ビデオ戦争ー優劣競い不眠不休・VHSとベータ―の陣営は互いに尊敬の念「あのころは青春」、パソコン誕生ーIBMの参入にあたり・マイクロソフトのOS採用・決め手となった日本での実績(ビルゲイツが西和彦のアスキー社を販売店に選ぶ)・国内は群雄割拠・マイクロソフトOSの改良に国産パソコンは押され存在感なくなる、200カイリ元年ー主要国200カイリ導入・流れに逆らえない日本・食品加工や養殖など構造改革、成田空港開港ー建設反対運動で7年遅れ開港・B滑走路は5年後に着手・アジア最大のハブ空港目指す、松下幸之助・鄧小平会談ー中国に合弁会社をつくることを鄧に約束BMCCは成功例となった
摩擦-国際化の光と影
田園都市国家構想ー大平政策研究会で開かれた地域主義・各省庁からえりすぐった課長の参画、トイレ電化元年ーTOTOの温水洗浄便座自社開発を促した消費者・人間の感覚を満足させる数値を求め社員を人体実験・販売地域は欧米アジアの18カ国、IBN産業スパイ事件ーコンピューター部門の自由化で富士通―日立連合はIBM互換機開発・著作権保護で紛争頻発・ソフト使用料を支払う、北炭夕張炭鉱閉山ー北炭夕張は大規模炭鉱だが台所事情は苦しかった・ガス突出事故で閉山・人口1割に、ファミコン発売ー「ドンキーコング」を家庭に持ち込むのが目標・不具合を断ち切ったソフト「スーパーマリオブラザーズ」で任天堂はゲームビジネスの礎を築く、東京ディズニーランド開園ー豊かさの実感・モノから移行・工業化拒否・消費行動が変化・レジャーと余暇、インターネット始動ー慶大から始まる・慶大・東工大・東大で接続・インターネット見本市契機に普及、ユニクロ1号店ー午前6時開店・製造小売りに着手・上場の道、電電公社民営化ー土光は分割民営化・ライバルDDIに協力、プラザ合意ー円高の入口はドル高是正のプラザ合意・後にバブル時代到来、前川リポートー生活向上で黒字削減・前川レポートを受け取った中曽根はレーガンに決意表明・政府に都合よく解釈され改革進まず、日米半導体協定ー政府業界に「足かせ」の認識なし・かりそめの平和の10年間・副作用は歩留まりと韓国と台湾勢急接近で衰退化、
暗転―バブルからデフレへ
国鉄分割民営化ー毎年1兆円の赤字から分割民営化・改革3人組と中曽根の積極推進で成功、NTT株上場ー中曽根の新たな財源確保・暗転のブラックマンディで4社買い支え・その後株価低迷、債券バブル崩壊ータテホショック・運用失敗で債券急落・海外から警告・その後再建、ブラックマンデーの暴落に日本飲み込まれる・日本市場は投資家の強気と証券会社の自己売買で回復、リゾート法施行ー開発ラッシュのツケ・やらねば損・ずさんな計画、牛肉・オレンジ自由化決着ー米国の苛烈な攻勢・竹下は自由化と補助金・高級路線に舵を取る、消費税導入ー制度づくり先決で3%・実施後も混乱、敵対的買収の衝撃ーピケンズと小糸の攻防でグリンメールにあると判断・要求をはねのける、
ソニー・米コロンビア買収ー米国の魂を買った・今はのれん償却、日経平均最高値ーカネ余りの影に自壊の芽・財テクに企業奔走・損失隠し、JJPCは・三井物産など5社とパーレビ王政下で契約石化製品生産・革命とイラク戦争で撤収・合弁事業解消、個人が金融機関の店舗に殺到・「ワイドフィーバ」は・逆取り付けと金利リスクを抱える、トイザラス上陸ー大店法改正・価格破壊で商いの風景一変・外資の進出相次ぐ、バブル潰し地価税の導入ー支持された新税・目標達成で凍結、NTTドコモ分離ーNTTの分割民営化で携帯事業・基地局増加と保証金廃止・加入料も引き下げで契約件数が伸び始める・「売り切り」で拍車、日米自動車摩擦ー米国は日本に対し・米国製部品の大幅増加と米国車を扱う日本の販売店数を増やすよう要請・WTOの場で合意拓銀破綻ー日銀特融・破綻発表・国の公約反故に・護送船団に甘え
まとめ
「東洋の奇跡」はなぜ「東洋の悲劇」に変わったか、出来事をたどり問題点を具体的に追求挑戦・躍進・変革・摩擦・暗転に分けタイムスリップ