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応援消費

応援消費 水越康介 書評

本書は「応援消費」に焦点を当て、変わりゆく社会とその社会を動かす力を明らかにしていきます。著者は神戸大学院博士課程修了、東京都立大学教授、専門は市場戦略論

応援消費の広がり

応援消費とは何か・多様な応援消費・ふるさと納税、応援消費元年-2011年・震災前後新しい意味を帯びる消費行動・「僕らにできること」応援消費、沈静化ー2012年以降、沈静化と応援消費の分岐点・特需の陰り・熊本地震と多様化・エシカルな消費、再注目-2020年・コロナ禍と応援消費・応援の場は地域からネットまで・お金を使う意味を見つける、応援消費以前-1995年・阪神/淡路大震災で神戸で買おう・情報技術の普及、なぜ消費で応援するのか・応援消費を支えた情報技術・寄付と応援消費を贈与と交換として捉える

寄付とボランティア

寄付文化のない日本・赤い羽根共同募金、「寄付文化」が成熟していない、陰徳の文化・目に見えない寄付・陽徳が必要、ボランティアと贈与のパラドックス「ボランティアをやればやるほど役人を楽にさせ国を助ける」、国家と社会に生まれる無給の活動者・ボランティア、赤い羽根共同募金はボランティア活動に関与、ボランティアの自己効用論は・行為者の利得と社会の利得も向上させる構図、贈与が交換へ結び付けられる、NPOの時代、応援消費の理由に贈与のパラドックスがある、

ふるさと納税にみる返戻品競争

ふるさと納税はどうして応援消費となったのか・返礼品、ふるさと納税の発端は税収格差の是正、対する反応は賛成7知事、ふるさと納税の開始、寄付としての性格と返礼品の効果、ふるさと納税の成長前夜で政権交代、ふるさと納税の意味づけの変化・返礼品は制度の外側にある、総務省の反転と泉佐野市との対立で泉佐野市敗訴、純粋な寄付の増加として首里城の再建など、市場原理の力・岩手の矢巾町の試み、

世界における消費で応援する行動

世界における消費で応援する行動でイギリス、バイコットとは善行に報いるために行われる行動、バイコットとボイコットを両方行うデュアルコッターは・政治的で倫理的な人、バイコットやボイコットに関する世界の動向ではスエ―デン、バイコットする人々の属性と特徴は女性・高い政治的関心と低い政治的信頼、日本におけるバイコットやボイコットを行った人は2割に満たない、

交換を作り出すマーケティング

マーケティングの現象や思考がどのように発展してきたか、マーケティングの誕生は供給過剰のアメリカGMの戦略、消費者至上主義へ転換と需要創造、ゆたかな社会で依存効果が示すもう一つの需要創造、市場そのものが・マーケティングを通じて・顧客との相互依存の中で新しく生み出される、概念拡張論争で営利企業と社会的活動もマーケティングの対象・あらゆる取引・交換の時代、交換を核概念とするマーケティング一般理論の構築

統治性とマーケティング

死の影に対応する応援消費は価値創造の結果である、感染症と管理の様式で①ハンセン病で患者の排除②ペストは地域と都市を統制下③天然痘は接種実践、統治性とは権力・道具の一つが市場原理、マクロ・マーケティング研究における統治性考察・インドではMBA教育を通じて市場原理が人々に内面化、電子システムで急激な市場化が貧困を作る、市場原理はソーシャル・マーケティングと結びつき・個人の態度変革/社会変革促す「介入」があった、商業マーケティングの応用は・市場原理の担い手となった地方自治体と・サービスの受け手として顧客である人々の間で有効に機能、統治性の維持に際して・批判を含む多様性や自由が必要とされる

まとめ

消費が応援となる時代の到来、交換と市場原理が作り出す大きな力と働きかけるマーケティング思考を、応援消費の広まり、寄付とボランティア、ふるさと納税に見る返礼品競争、世界における応援消費、交換を創り出すマーケティング、統治性とマーケティングまで解説しています