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ナウシカ

赤坂憲雄 ナウシカ考を読む

皆さんは、「風の谷のナウシカ」をごらんになったとおもいます。

本書は、学習院大学の赤坂教授が、逡巡と蛇行にみちた思索のかけらを形にしたものです

4部構成、①西域の幻想②風の谷③腐海④黙示録からなっています

①「砂漠の民」が原点、「シュナの旅」が原風景

②部族社会としての風の谷、人々は、腐海のほとりに暮らしています(風車とメーヴェのある風景)。蟲愛ずる姫ナウシカ、血にまみれた航海者に出会い、流浪の旅がはじまります。宮崎は、主人公の条件として、孤児を描き、ナウシカに、不思議な力・カリスマを持たせました。

③ここで、森の人登場。火を捨て腐海に移住。蟲使いは、影として、森に生き、武器商人から、穢れの民になります。二つの歴史(火の7日と大海嘯)があり、森の人の祖先は、青き衣の者に導かれ森に入りました。森は、都市や村を食い、第三の自然「生命の森」になります。

④年代記に語り手が少なく、物語を動かすのは、無数の声。歴史語りは3人の交叉するあたりにある(文字による専制)。生命を操る技術、悪魔の技がほどかれ、シュワの庭に跳ぶ。ナウシカ、庭の主、セルムとの対話で、「生命を操り、オーマや粘菌を育て、大海嘯の呼び水となる技が漏れ出てます。なぜ、墓所に、伝えるに値しない技が残され、死の影を吐き出しているのですか」とナウシカ。風の谷にキーワードの一つに虚無があります。虚無からナウシカは、種族の血まみれの女と言われます。

まとめ

風の谷のナウシカは、「人間のうちにある不滅の権力意志とその聖化、その決定的挫折の黙示録として、編まれた」