皆さん、モンゴル遊牧民て、どんな暮らしをしていると思います。私は、東京のハヤリンバレル見学で興味を持ちました。
本書は、内蒙古社会科学院に留学していた民博の小長谷氏のモンゴル留学記です。
お世話になったのはタンゼン家、牛・馬・羊・ヤギ・ラクダを飼っています。遊牧技術は
①羊、ヤギは出産シーズン管理、年1回交尾
②生殖管理され、馬・ラクダは乗用、牛は役畜、羊・ヤギは肉用となります。
③草原で生まれた子は、袋に入れ持ち帰る方法と、子を囮にして母子持ち帰る方法があります。
④200党の馬群の中に、種オス馬が数頭のメス馬を従えたサブグループを作っています。
⑤群れを成さない牛は、母系集団としてラインをたどるよう認識されています。
⑥馬の耳の印は所有権の証、本家・分家それぞれ耳印をいれます。
⑦牧畜の成立を可能にしたのは、搾乳と去勢、乳は、再生産をめでるものとして儀礼化しています。
暮らしは、ゲルに住み、普段の主食は黍で、茶をすすり、本格的には肉うどん、ホテルよりうまいですね。一日のスケジュールは、朝子囮母とり、羊の放牧、哺乳、母子群の放牧、帰営して、哺乳、子囮母とりで、お疲れ様
タンゼン家は、ラマ教に帰依、毎日、天にチーズをそなえ、灯明をともします。
まとめ
母子の絆を強化して、群れのまとまりを作り、その絆によって養育を図り、たくさんのオスを維持し、肉の利用を志向した技術体系が遊牧の本質です。「泣いて、泣いて人になる。鳴いて、鳴いて家畜になる」