皆さん岩佐又兵衛てどんな人だと思います、本書は辻惟雄・山下祐二両美術史家が、日本美術史に多大な影響を与えた岩佐又兵衛についての共同執筆しています
又兵衛風絵巻群の衝撃
山中常盤物語絵巻のあらすじは、牛若丸は秀衡館へ、母常盤奥州の道中刺殺される、母の仇を打ち、山中宿で墓参。1巻は牛若丸・平家追討の為いざ奥州へ、牛若を案じ、嘆く常盤御前。2巻は牛若を訪ね・常盤主従は東下りの旅・大津。4巻は常盤主従のやすむ山中の宿に押し入る盗賊たち、盗賊たちは常盤と侍従の小袖をはぎ取る、せめくちの六郎が常盤を突き刺す。5巻は、常盤は宿の主人に夫妻に自らの身分を明かし・牛若への形見を託す、牛若は・偶然通りかかった山中で新しい墓標を見つけ訝る。6巻は、牛若の枕元に・常盤が現れ・盗賊に殺された無念を語る。7巻は、宿に小袖を飾り・盗賊たちをおびき寄せる牛若、盗賊のほりの小六が・宿の偵察に来る。9巻は、少年に扮して臥していた牛若・盗賊たちに跳びかかる、たった一人で盗賊たちをつぎつぎと斬る、10巻は、宿の主人たちが荒菰で・盗賊たちの亡骸をつつむ、夜のあいだに・盗賊たちの亡骸を淵に沈める、11巻は、3年3月ののち・10万余騎を率い都へのぼる牛若、12巻は山中の常盤の墓前で回向する、宿の主人夫婦に感謝を伝え・領地を授ける。浄瑠璃物語絵巻のあらすじは、牛若丸は平家追討の旅、道中浄瑠璃姫と契りあい、蒲原の宿で死亡、冷泉を共に浄瑠璃が蒲原で亡骸を掘り出すと甦り、奥州から都の途中で浄瑠璃の死を冷泉から知る。1巻は旅はつらいよ・15の春・東国へ。4巻は、言葉を尽くし・せまる牛若・なびく浄瑠璃。11巻は、浄瑠璃は鳥天狗にのって矢矧宿へ、浄瑠璃の母は簀巻きににされ、川に沈められる、
堀江物語絵巻のあらすじは、堀江家の夫は国司に謀られ死亡、妻は自害、老婆も自害、遺児となった月若は岩瀬権守に育てられ、父母の死を知る、国司一族討伐し国司に任じられ、上野,下野,常陸知行。残欠本では、一千余騎を率い・いざ国司の館へ、国司を一刀両断・ついに親の仇を討つ、
小栗判官絵巻のあらすじは、小栗は大蛇と契り、照手姫に婿入り、小栗は殺されが、閻魔庁で「餓鬼阿弥陀仏」の姿で娑婆。熊野で元の姿、都で父母対面、美濃国司に任じられ照手姫と再会
その画家卑俗にして高貴なり
乱世に生まれて、父は荒木村重、絵は独学、「豊国祭礼図屏風」は2つの作品、狩野内膳と岩佐又兵衛、北の新天地で花開く、不惑目前で福井、パトロン松平忠直、歌仙図の作例が、旧上野家本「36歌仙画冊」個性生き生き、金谷家伝来の「旧金谷屏風」卓越した技法、「花見遊楽図屏風」は当世風俗、江戸に死す、還暦迎え、仕事に追われ、病におかされ、「月見西行図」は江戸単身赴任の切ない思い、家光の命で「36歌仙額」依頼奉納、「自画像」を妻子に送る、「耕作図屏風」福井と違う諦念の心境が漂う、
笑う又兵衛は、「布袋図」禅の中のユーモア、[老子出関図」で老子がニタ、「布袋と寿老の酒宴図」誇張して笑い、「本性房振力図」漫画的笑い、「鵜川の戦図」ユーモワ、「人麿図」で輪郭線、「貫之図」で墨の面、妖しの又兵衛は、「山中常盤物語絵巻」と、「浄瑠璃物語絵巻」と「36歌仙画冊」も髪、「官女観菊図」は異常な書き込み「伊勢物語梓弓」上品さの下品さ「源氏物語野々宮図」あるしゅの卑俗さ「金谷屏風」雑種的「源氏物語須磨図」垣根がムカデみたい「虎図」は滑稽「悪源太雷伝」は気色が悪い「小栗判官絵巻」はサッパリ「山中常盤物語絵巻」は強烈、秘密の又兵衛は、生前から「浮世又兵衛」とよばれ、近松の浄瑠璃「傾城反魂香」で浮世又兵衛に拍車をかけた、「勝以」なる男は又兵衛である「洛中洛外図屏風舟木本」の謎へ迫る、その後の又兵衛は、辻惟雄「岩佐又兵衛」で舟木本は又兵衛、国宝指定、「又兵衛風」風俗画が変質一般化した先に菱川師宣の浮世絵がある
まとめ
岩佐又兵衛の父は荒木村重、絵巻群の世界と人生と作品で構成、絵巻群は、①牛若丸の山中常盤物語、牛若丸、平家討伐の為、いざ奥州へ、牛若を案じ、嘆く常盤御前、牛若訪ねて、常盤御前は東下りに旅へ、ここは大津の浦、常盤主従のやすむ山中の宿に押し入る盗賊たち、盗賊たちは常盤と侍従の小袖をはぎ取る、攻め口の六郎が、常盤を突き刺す、常盤は宿の主人に夫妻に自らの身分を明かし、牛若への形見を託す、牛若は、偶然通りがかった山中で新しい墓標を見つけ訝る、牛若の枕元に、常盤が現れ、盗賊に殺された無念を語る、宿に小袖を飾り、盗賊たちをおびき寄せる牛若、盗賊のほりの小六が、宿の偵察に来る、少年に扮して臥していた牛若、盗賊たちに跳びかかる、たった一人で盗賊たちをつぎつぎと斬る、宿の主人たちが荒菰で、盗賊たちの亡骸をつつむ、夜の間に、盗賊たちのなきがらを淵に沈める、3年3月ののち、10万余騎を率い都へのぼる牛若、山中の常盤の御前で盛大に回向する、宿の主人に夫妻に感謝を伝え領地を授ける、②牛若丸の瑠璃物語絵巻は、旅は辛いよ、15の春、東国へ、言葉を尽くし、せまる牛若、なびく浄瑠璃、浄瑠璃は烏天狗に載って矢矧宿へ、浄瑠璃の母は簀巻にされ、川に沈められる、③月若の堀江物語絵巻は、1千余騎を率い、いざ国司の館へ、国司を一刀両断、ついに親の仇を討つ④小栗判官絵巻は、閻魔大王、小栗とその侍従を裁く
人生は、乱世に生まれ、絵は独学、福井に赴き、パトロン松平忠直の元で花開く、還暦にして江戸へ単身赴任、仕事に追われ、病におかされ、死去、作品は、布袋図、老子出関図、布袋と寿老の酒宴図、花見遊楽図、本性房振力図、鵜川の戦、柿本人麻呂と紀貫之、妖しさに注目、山中常盤物語絵巻、浄瑠璃物語絵巻、36歌仙画冊の小野小町、官女観菊図、伊勢物語梓弓図、源氏物語に野々宮図、金谷屛風、源氏物語須磨図、虎図、悪源田雷電、伊栗判官絵巻、秘密の又兵衛に注目、①生前に浮世又兵衛と飛ばれ、近松の傾城反魂香で広かった、②「勝以」と「又兵衛」は同一人物③舟木本は又兵衛作品、又兵衛から浮世絵始まり菱川師宣が後を継いだ