皆さんウクライナ戦争から3カ月、本書はロシア・中国・アメリカの世界戦略と標的とされる狭間の諸国の構想・思惑について執筆しています
中露関係の戦後史
協力しながら対立する関係、最初は共産主義陣営、スターリン批判で中ソ対立、「上海協力機構」で周辺諸国加わり協力、目標は米国の一歩意的支配対抗。中露は国際関係において対欧米対抗路線を採りつつ、政治的・経済的・戦略的関係を強化、パイプライン運用・価格問題でロシア警戒、プーチンは中・日・韓で極東開発・主導権を握り、NATOに対抗、
ロシアの東進
プーチンはユーラシア連合構想発表、独立国家共同体を筆頭に地域協力組織を基盤とした連合体で、重要なのがユーラシア経済共同体、ロシア・ベラルーシ・カザフスタン。ウクライナ・ジョージア・モルドヴァは新欧米路線を採り構想に大きな障害。プーチンはAPECで「アジア太平洋自由貿易圏の創設支持、アジアとの経済関係が深まった。ただしウクライナ危機により、多くの国が経済制裁を科し、ロシアも報復措置、アルメニアとキルギスが加盟したがベラルーシやカザフスタンは不満を感じており不安材料、
中国の西進
中国は旧ソ連のエネルギー市場への進出が活発化、中露で東シベリアのスコボロジノ―からナホトカまでパイプラインと、天然ガス中国へ供給。一帯一路構想はお友達圏の形成、アジアインフラ投資銀行AIIB発足、BRICS諸国は新開発銀行NDB設立、ロシアAIIB加盟。中国は高速鉄道建設に参入、欧州を結ぶ鉄道に熱心に推進、補給基地確保で中東、アフリカに影響が出る、ウクライナとの関係は良好、軍事技術や空母を供与してもらう。一帯一路の国際会議で中露の緊密さ演出したが、恩恵の少なさに当局やオルガルヒは懐疑心。共存共栄には①ロシア経済の盛り返し②第三国を加えてバランス③カザフスタンの強固なバランサー④中露連携にメリット感じること⑤ロシアの勢力圏を侵害しない、近年中国とウズベキスタンの関係は顕著でロシアの期待に応えない。北極海は温暖化の影響で①北極海航路の利用②未発見の原油、天然ガス、ニッケル、コバルト、金が眠っている。中国は1990年から北極海に資源調査、北極海航路も進める。グリーンランド購入事件や中国北欧間鉄道開通で、北極圏権益保持から軍事拡長、環境保護で主導権、北極海は中露とアメリカの境にあり、連携は①シベリヤのLNG開発、輸出②極東のザルビノをアジア最大の港湾に拡大③北極海航路共同開発
ウクライナ危機と中露のジレンマ
危機は①ヴィクトル・ヤヌコビッチ大統領がEU連合調印取りやめに対する抗議行動②ロシアがクリミア併合③東部のドネツクとルガンスク独立宣言、④ロシア軍侵攻、中国は限定的ながらロシア支持。中露蜜月は簡単なものでなく天然ガス合意で中国に屈した、中露の軍事協力が芳しくないのも武器の商談で中国のコピーが問題。ウクライナと中国の安全保障で、ロシアがウクライナに核兵器を使用すると、中国はロシアに核兵器で反撃、「ブタペスト覚書」は核兵器を放棄する引き換えにロシア、米国、英国など安全保障、ウクライナ核兵器放棄後悔と欧米に怒り。2015年戦勝パレードで金正恩欠席、習近平は先にカザフスタン訪れ、プーチンを不愉快にさせたが、中露両国の緊密さを内外にはアピール。ウクライナ東部は軍需産業でソ連から引継ぎ、クリミア以後ロシアは輸入できず、代わってNATOから購入している。中国もウクライナから輸入、中国が空母を手に入れたのは、ロシアの半完成のワリャーグで中国が落札、修理完了後、遼寧としてデビュー。武器輸出はプーチン政権下で増加し汚職の温床となった、中国向けに旧式武器、インドは高性能武器。中露関係で軍事戦略関係が進んだ2013年「新安全保障対話」を進め、ロシアと中国の思惑一致、ロシアの武器輸出先は中国とインド、警戒を募らせるのは中国が軍事部門を含む技術をロシアから盗み、自国産業に転用、ネックとなているのがエンジンで旧式戦闘機のみならず新型戦闘機も改良、開発したもの、爆撃機もソ連爆撃機を国産化したもの。潜水艦は比較的良い水準だがロシアの協力を仰げない。中国の防空システムは米中間における軍事衝突を潜在可能性を念頭に構築された、中国はS-400 地対空ミサイルに獲得にこだわるのは、反応速度が速く抗妨害能力が強いからで、ロシアが供与したのはウクライナ危機が要因、ロシアは新型戦域弾道ミサイル「イスカンデル」の開発改良が進められており、中国が望む形で兵器や技術の供与を始めた。対露制裁下、ロシアと通商関係あった北欧、バルト三国、東欧は損害を被っており、制裁は国民の反欧米意識を高めプーチン人気、ルーブルは温存され、下落で痛い思いは海外旅行者や輸入業者、中露の共存共栄の道は、アジアハイウェイ・中央・東南アジアで水力発電相互補完・自由と繁栄の弧のプロジェクトに有機的に協力すること、国内安定が重要な案件だがロシアはチャイナマネーに補完的役割、
まとめ
アメリカ一極に対抗、中露の関係は警戒・対立・共闘の歴史、ロシアのユーラシア連合構想と中国の一帯一路構想の対抗意識、ロシアの資源輸出、中国・インドへ武器輸出、中国マネーのロシア席巻、ウクライナから中国へ武器・空母輸出で、主権国家でありながら政治的に自由がない旧ソ連のウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンが、中露の民族主義に対し民主主義を打ち立てる時代を予感、