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サフラン

ラーミン・ガネシュラム サフランの歴史を読む

皆さんサフランて何だと思います、本書はラーミン・ガネシュラムがサフランの歴史について描いています

起源と栽培

最初期のサフランは野生種でギリシャ原産、このなかから栽培。生育に最適なのは乾燥高地、宗教・医薬で重視されたが、採取して手に入れるもので、希少価値を高めた、栽培したのはペルシャ人。手間がかかるだけでなく、手で摘み取る作業を手早くやる、ひとつの花から穫れるサフランの柱頭はわずか。新大陸で栽培に成功したのはドイツのシュウェンクフェルター派の人びと、その子孫マーティン・キーンは労働力を考えれば消費者が徳な買い物をした、

古代社会とシルクロード

黄金の糸にとりつかれたペルシャ人、サフランを日用品から食品に至るまで取り入れ、ペルシャ絨毯、死に装束、煮込み料理、デザート、お茶の風味付け、広大な畑ではサフラン栽培、「王の道」を使って世界に広めた。カシミール産サフランは高額、アレキサンダー大王はペルシャの習慣を取り入れ、サフランをふんだんに利用した、ローマ人もサフランに魅了され、入浴、香水、贅沢な食事

中世とルネサンス期のサフラン

ムーア人がスペインにサフランを持ち込み栽培、料理と医療に利用。十字軍の聖地エルサレム奪回で、ヨーロッパに持ち込まれる、入手先はヴェネツィア、英国サフラン・ウオールデンで栽培、ペストでサフラン栽培に拍車がかかり、ニュルンベルグが取引中心地、

宗教 芸術 医療

サントリーニ島の壁画は、女神の指示のもと、女性と猿がサフランを摘んでいる、ペルシャの叙事詩「王書」に登場する馬の毛色はサラセン色に赤の斑、インドのヒンズー教の司祭・仏僧のサフランで染めた法衣着用、ジャイナ教のゴマテシュワラの祭儀では信者がサフランミルクを注ぎかける、サフランが使用された装飾写本の大作「ケルズの書」、メーリアンの版画・サフランの花、イランのマシュハド大学は古代にサフランが治療薬として使われた例を収集

現代サフラン事情

貴重であり続けた理由は労働力と時間制限、カシミール地方は、旱魃や政治紛争で危機に瀕している、アフガニスタンは逆に軍事紛争で栽培復活、イランは経済制裁を受け、闇取引、ターメリックは代用品、

まとめ

原産ギリシャ、ペルシャで栽培・サフランにとりつかれた、アレキサンダー大王はふんだんに利用、ローマ人も魅了される。中世はムーア人と十字軍遠征、ペストでヨーロッパに広がる。ギリシャ・ペルシャ(イラン)・インドでのサフランと宗教・芸術・医療との関り、貴重であり続けるサフラン、危機のカシミールとアフガニスタン軍事紛争利用、イラン経済制裁を描いています