皆さんカレー好きですか。本書はコリーン・テイラー・センが世界のカレーについて描いたものです
カレーの歴史
カレーという言葉はイギリス人の間ですでに滲透、ハイデラバードのリンデル医師著「インドの家政とレシピ」でカレーの説明、インドにやってきたハーバー大佐著「マドラス料理の覚書」で傑作レシピ紹介されている。たが、イギリス人妻がインド料理を敬遠、社会的地位を失い、カレーが再定義され「インドカレーの本」出版、 イギリスではカレーは中流階級の食卓に定着、
イギリスのカレー
カレーはイギリスの国民的料理となった。最初のインド料理店・ヒンドスタニーコーヒーハウスの失敗があったものの、ハンナ・グラース著「簡単に作れる料理の技法」が出版され、進取的な商人はカレーの商品化に乗り出した。「カレーのない夕食なんて・手軽なカレー料理・王室も労働者も」そして高級インド料理店ヴェーラスワミーズ開店、副産物はカレー作り11箇条。ヌーンズ・パサックス・S&Aフーズ等々企業が大量生産に乗り出し、1970年になるとタンドリーチキンが人気、続いての人気がバルチ料理。カレーを普及させた功労者はカレークラブを作ったパット・チャップマン
北米とオーストラリアのカレー
アメリカでは、メアリ・ランドルフ著「バージニアの主婦の料理」イライザー・レフ・リー著ベストセラー「料理の指南書」が出版された。南部でカントリーキャップテン・チキンが人気、「カレーシェフの王」とあだ名されたランジ・スマイル登場、フローレンス・ブロベックがカレー料理をテーマに「カレー料理」出版、メキシコヒンドゥーはメキシコ料理とパンジャム料理を結び付けた。カナダで移民は大半がトロントとバンクーバーに住み、多彩なインド食文化が栄えている。オーストラリアでは、カレー料理がすっかり浸透、小説家マーカス・クラークが「カレーこそオーストラリアの国民料理」と主張しています
離散するインド人たちのカレー
奴隷廃止により、植民地の労働力不足に陥ったイギリス政府は、インド人を契約労働者として植民地に移住させた。契約終了で故郷と土地を選択、土地を選んだのが大半。移住先インド人割合と料理の特徴は次の通り。トリ二ダートトバコは40%・市販のカレー粉を使う、ガイアナは43%・人気の魚カレー、ジャマイカは3%・伝統的なインド料理を今ではジャマイカ料理と考えられている、モーリシャスは3分の2・アフリカ・オランダ・フランス・インド料理の魅力的な結晶、スリランカは80%・カレーにライス・バーガー料理フィジーは50%・メラネシア・ポリネシア・インド・中華。西洋の寄せ集め
アフリカのカレー
南アフリカは、ケープマレー料理、代表格ボボテイ、ブレディーもある。カレーは南アフリカのあらゆる層に人気、有名なインド=南アフリカ料理はバニーチヤウ。アフリカのほとんどの伝統料理は、シチューやソースがかかったとろとしたお粥で、伝統料理がお粥にシチューをかけるスタイルであったため、カレーはすんなり浸透しました
東南アジアのカレー
タイではエビのペースト入った、ココナッツミルクベースカレーが一般的、べトナムはココナッツミルクで煮込むチキンカレー、ミャンマーは淡水魚のカレーが人気、インドネシアはジャワ島の料理メインディッシュ「グレ(カレー)」、シンガポールは、人気の屋台食フィッシュヘッドカレー
その他の地域のカレー
オランダはインドネシア料理、ポルトガルではリスボンのゴア名物料理、ドイツでは人気の屋台料理ヴルスト、日本は家庭料理の人気メニュー、カレーパンも人気
まとめ
インドのカレーはイギリスの国民的料理となり、北米・オーストラリア・大英帝国植民地に拡大、グローバルな料理となりました。スパイシーで健康的なカレーは今後も食卓の中心になるでしょう