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李白

宇野直人・江原正土 李白を読む

皆さんは李白てどんなイメージをお持ちですか。本書は共立女子大学宇野教授と江原声優が対話形式で李白の漢詩に迫ったものです

故郷にて

習作の時ー初月は三日月を眺めて、望夫石は夫の身を安じて石に、対雨は雨の景色、

李白の生涯ー父は裕福な商人、蜀に移住、25歳から故郷を出て各地旅行・求職活動で朝廷に仕える、反感を買い追放、放浪・安禄山の乱・反逆者として流罪、放浪、

蜀中彷徨ー訪戴天山導士不遇は読書に耽る導士との交際、春感は成都を訪問、上リヨウは自分を大鵬とみなす、

長江を下るー峨眉山月歌は月の光で船は進むが心は不安、宿巫山下は昨日は夢を見て悲しい思い・それは許婚、早発白帝城は旅の全体回顧、

楚の国へー渡荊門送別は李白を送別する、荊州歌は流行歌、秋下荊門は船に張られた帆は秋風をはらみ進む、江行寄遠は遠く離れている人に寄せる

求職と遍歴の時代

江南にてー金陵望漢江は金陵で漢江を望む、示金陵子は金陵での楽しい生活、西施は西施の美しさと呉越戦争、

焦りと悲しみとー秋夕旅懐は秋の夕暮れで旅の思い出、静夜思は静かな夜の思い、黄鶴楼送孟浩然之広陵は孟浩然先生は黄鶴楼に別れを告げ碧空に尽きる、長相思は秋の季節感と相手と隔てられた辛さ

隠者への憧れー元丹丘歌は元丹丘を褒める、題元探求山居は元丹丘の生活、尋高鳳石山中元丹丘はふらりと尋ねる

憤りと人恋しさー行路難は私の行く道は険しい、春夜洛城聞笛は市民が吹く笛の調べを聞き心の安らぎ欲しい、贈内は妻に贈った詩、客中行は酒の徳、丁督護歌は運河を切り開く工事場の人々

朝廷に仕える

いざ長安へー南陵別児童入京は南陵家の子供と別れ都へ出発、別内赴微は妻と別れ天子に応じ出かける、其二は明日の別れと励まし、其三は妻へいたわり、

都の春にー少年伝は若者の歌、宮中行楽詞は宮中に仕える女性を褒める、清平調詞は楊貴妃を褒める、其二は命取りとなる「楊貴妃に似ているのは飛燕か」、其三は牡丹と楊貴妃を褒める、

諷喩の心ー子夜五歌は長安で女主人が夫を思い心配、春怨は出征した夫を思う、鳥夜啼は鳥の描写から離れた人をしのぶ、戦城南は戦争の悲惨さ、

とまどいー春帰終南山松龍旧隠は勤めながら隠居所にいき心を休める、下終南山過コクシ山人宿置酒は終南山を下りコクシ山人先生を訪ね・泊まって宴会、玉壺吟は仲間と一席設けた

孤独ー月下独酌は朝廷追放直前、古風・五十九首は贅沢三昧の朝廷批判、春日酔起言志は自暴自得の詩

失意の漫遊時代

宮廷追われてー憶東山二首は隠れ家にあった花を思い出し一言、感遇四首は朝廷にグズグズしないで他へ行く其四は宋玉になぞらえる、初出金門尋王待御不遇詠壁鸚鵡は旧知王待御を訪れたが不在・鸚鵡に例える、魯郡東石門送杜二甫は杜甫を見送る詩、

いにしえをしのんでー越中覧古は越王句践の喜び・その喜こびの跡はな蜂い、蘇台覧古は呉越の戦い・変わらない月、寄東魯二稚子は東魯に預けてある子供たちに寄せる父の思い、

金陵から宣城へー登金陵鳳凰台は鳳凰がくる前と今・長安が懐かしい、宣州謝眺楼餞別校書淑雲は心のうっ憤を酒で、独座敬亭山は敬亭山こそ自分の拠所、観胡人吹笛は悲しい気持ちで出塞の曲を聞けば涙亡れる、

山水によせてー山中問答は山の中での問答、山中与幽人対酌は隠者と酌み交わす、秋浦歌は自分が老け込んで半信半疑の気持ち、贈オウリンは李白の出発に村人の見送り、秋浦寄内は妻の手紙に返事と詩、望廬山瀑布は香炉峰の故事から滝に焦点

流罪・赦免・そして晩年

再度の挫折ー永王東巡歌は永王を褒め称えた、奔亡道中は永王の軍に参加、長安に戻れると思ったのに、其五は逃亡者としての旅と故郷を懐かしむ、上皇西巡南京歌は玄宗を褒め称える、其十は玄宗長安に帰る、

流されてー流夜郎贈辛判官は牢屋から出発・役人に詩を贈る、与史郎中欽聴黄鶴楼上吹笛は流刑地に行く途中に詩、放後遇恩不ウルオウは恩赦に預からなかった不遇、南流夜郎寄内は妻の宗氏に宛てた、

最後の旅ー対酒酔題屈突明府庁は醸恩赦を受けた後の宴会、宿五松山下荀オウ家は五松山の宿泊、江南春懐は生活態度の反省、覧鏡書懐は隠遁の決意、

最晩年ー非歌行は酒はあるか・酌むのを止めて話を聞け、哭宣城善醸紀叟は酒造りの紀の爺様を悼んで泣く、九日龍山飲は龍山で宴、臨路歌は自分を大鵬と見立てる

まとめ

李白は才能・能力・業績あったが、人生全体では挫折の連続、しかし生涯、旅を繰り返し乗り越えんとしたことは見事でした