本書はアイヌ民族の歴史・文化を学び、伝えるナショナルセンターとして開業したウアイヌ コロ コタン アカラ(民族共生象徴空間/愛称ウポポイ)の理念や働いている職員の姿など、ウポポイの今を伝える目的で編まれた、執筆者は国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園で働いている役職員、ウポポイに勤務している文化庁のアイヌ文化調査官、
博物館の歩き方ー小林美紀・立石信一
一階にシアター・ミュージアムショップ・交流室・展示ケース、2階に常設と特別展示・パノラミックロビー・常設展示は6つのテーマ、展示映像、鳥、公園の構成
ポロトの歴史ーポロトコタンからウポポイの開業までー立石信一
白老が経験した近代、明治天皇・宮沢賢治・観光地、ポロトコタンの誕生、「アイヌ民族博物館」開館、世界の中で「先住民国際フェスティバル」、「アイヌ民族博物館」の近年、関連する博物館との交流や連携・ふるさと学習・アイヌ文化伝承者を育成、ウポポイ開業で「アイヌ民族博物館」閉館、
民族共生象徴空間における国立アイヌ民族博物館の設立経緯についてー特に博物館の建築を中心としてー内田祐一
①国連総会で「先住民の権利に関する国際連合の宣言」採択、アイヌ政策有識者懇談会「報告書」提出、②「民族共生の象徴となる空間」の基本的な機能と設置地域の検討、象徴空間のイメージ検討と博物館の基本構想策定、「民族共生の象徴となる空間」基本方針の閣議決定と博物館基本計画、③象徴空間の具体化と博物館の正式名称の決定、「民族共生象徴空間」基本構想(改訂版)の策定と基本方針の変更・象徴空間の運営主体、④愛称・PRキャラクターの発表、文化庁における準備室設置、⑤国立アイヌ民族博物館の建設について、博物館の建設予定地、博物館の設計、博物館の設計における特徴、建築工事の開始と地鎮祭の開催、伝統芸能の復興と伝承ーアイデンティティーの構築ー山道ヒビキ・オンネレク、アイヌの伝統芸能、ウポポイにおける伝統芸能、ウポポイにおける伝統芸能上演プログラム、自らの生き方を選択、ポルトコタンと私と父と祖父
アイヌ語を第一言語にー小林美紀
方言と表記の方針を検討、アイヌ語の表記をつくる、表示の6つのパターン、
国立アイヌ民族博物館のアイヌ語による展示解説文と私たちー深澤美香
国立アイヌ民族博物館開館、アイヌ語による展示解説文作成過程、アイヌ語の方言・新語・表記、アイヌ語による展示解説文を執筆するということ、アイヌ語による展示解説文の中の私たち、日本語に翻訳された私たち、「アイヌ民族」と「アイヌの人々」、そして「明示しない」という選択、私たちのさらなる区別、展示解説文の視点と私たち、フチへの想いー押野朱美・秋山里架
アイヌ文化を博物館に表象するー国立アイヌ民族博物館の展示手法についてー佐々木史郎
我が国の貴重な文化であるアイヌ文化を国立博物館はどのように扱っているか、①国立アイヌ民族博物館の展示の基本方針、展示種類と展示計画、展示解説、②国立アイヌ民族博物館の展示方針の特徴、展示方法・露出型と体験型、展示資料・資料は原則オリジナル、③文化財の展示か民族資料の展示か・東京国立博物館/国立民族学博物館/国立アイヌ民族博物館の比較ーケース展示・文化財、
国立アイヌ民族博物館の基本展示で伝えたいことー田村将人
①展示検討委員会およびワーキング会議でのいくつかの議論、基本展示の6つのテーマのコンセプトや内容、②何を伝えるか、被差別体験とステレオタイプ化された伝統文化の打破③アイヌ民族の明治以降の歴史、④歴史の主体は誰か⑤時代による多様な職業の紹介⑥単一民族国家ではないというメッセージ⑥展示室内の配置⑦展示資料の性格と当館の意義
国立アイヌ民族博物館の展示室で見えてくる、最前線の教育普及活動の課題ー笹木一義
来館者と館の研究学芸スタッフとの関わり、①当館と来館者の置かれている状況、北海道の歴史とアイヌ民族の歴史、②開館準備と展示開発の過程で見えた課題、過去と現在・未来、教育活動のねらいの設定、誰が展示フロアーに立つのか、全ての学芸スタッフ、③展示フロアなどでの質問・対話の事例、事例「〇〇さんはアイヌ人だったんだ、事例アイヌ語と文字について、事例「アイヌは今もいるんですか」④基本展示で伝えようとしたこと、基本展示室での対話に向けて・対話の必要性、基本展示室解説ツワー活動、⑤博物館の社会的役割と当館での教育普及活動、2007年の定義,2019年定義案、2020年定義、「探求展示 テンパテンパ」とはー奥山英登、国立アイヌ民族博物館のバーチャル博物館についてー劉高力、
まとめ
①ポロトの歴史②民族共生象徴空間における国立アイヌ民族博物館の設立経緯③ウポポイのアイヌ語④国立アイヌ民族博物館のアイヌ語による展示解説文⑤アイヌ文化を博物館に表象⑥国立アイヌ民族博物館の基本展示で伝えたいこと⑦国立アイヌ民族博物館の展示室で見えてくる、最前線の教育普及活動の課題、ウポポイ前史から民族共生象徴空間の整備、アイヌ文化を博物館に表象、アイヌ語による展示解説文と教育普及活動、