2022年7月8日安倍元総理殺害、本書は事件から統一教会をめぐる疑問を解くことにある、著者は北海道大学大学院博士課程中退、北海道大学大学院教授、専攻は宗教社会学
メシアの証ー文鮮明とは何者か
①再臨主・文鮮明の死と相続をめぐる争い、メシアの死、天一国、相続をめぐる争い、内部抗争、蚊帳の外に置かれる日本組織、文鮮明が「再臨のメシア」②韓国の民衆宗教とキリスト教、韓国の民衆宗教、神人一体化と解怨思想、韓国のキリスト教徒人口はなぜ拡大したか、天主教と改新教、異端的キリスト教会、③統一教の形成、文鮮明の生い立ち、ソウルの統一教会とイスラエル修道院、平壌の神霊集団、朴雲女とは誰か、朝鮮戦争と避難、釜山初期教会、梨花女子大事件、六人のマリア、子羊と祝福、祝福による拡大聖家族・合同結婚式
統一原理と学生たち
①日本宣教と初期信者たち、キリスト教系新宗教から多国籍型宗教団体へ、崔奉春と初期教会、日本におけるキリスト教布教、統一教会と立正佼成会、②統一教会と政治運動、笹川良一・岸信介と統一教会、久保木修己と勝共運動、統一教会と日本の右派運動、右派運動の変遷と統一教会の政治活動の現状、③統一教会と学生運動、学生運動の1960年代、学生運動の理念主義と暴力性、学生運動と勝共運動の相同性、政治運動としての統一教会、④統一教会の教説、講義で説かれた教え、創造原理、堕落論、復帰摂理、文鮮明がメシアである証拠、
統一教会による人材と資金調達の戦略-布教・霊感商法・献金
①日本統一教会の使命、原理研究会と幹部養成、幹部信者に見えていないもの、二世信者の時代、なぜ霊感商法をするのか、②資金調達の組織構造,地区教会=販社、資金調達の総額献金の実態、③勧誘・教化の過程と回心のメカニズム、信者数の増加と階層化、アンケートと姓名判断、霊場と霊能師、ビデオセンター、ライフトレーニング、新生トレーニング、実践トレーニングと伝道、マイクロ隊での限界突破、統一教会の実践信仰、④主婦・高齢者と先祖解怨、霊石愛好会から天地正教へ、清平修練苑、先祖解怨式、役事、病気直し、篤志家狙いと高額献金、
祝福と贖罪ー韓国の日本人女性信者
①祝福、祝福と合同結婚、統一教会の世界的拡大、祝福と三日行事、性の統制と理想家族、②韓日祝福と信仰生活、渡韓した日本人女性信者、韓国に渡った女性信者の生活、韓国での信仰生活、③祝福家庭の実態とジェンダー不平等、祝福家庭の経済生活、祝福家庭の家庭生活、耐える女性信者、祝福されない「祝福」、日韓の結婚習慣の違い、信仰とジェンダー不平等、幹部の祝福家庭、さめた信仰、
統一教会の現在と未来ー法的規制と新宗教
①統一教会による違法行為、宗教団体としての特異性、社会問題と違法行為のあいだ、新彊の自由侵害、民事訴訟の困難、統一教会による刑事事件、コングロマリット宗教のリスクヘッジ、②安倍元首相銃撃事件、銃撃事件と容疑者、山上徹也と統一教会、安倍元首相と天宙平和連合、政治家と統一教会・関連団体、統一教会の組織票、国葬と政治批判、③統一教会の解散命令請求と宗教規制、宗教法人の解散命令請求、解散命令請求後の課題、救済新法の概要、マインドコントロールか信教の自由化か、カルト規制法の可能性、④被害救済の道筋、被害者支援のありかた、二世信者問題、養子問題、代替わりお教団の未来、独居高齢者の問題、被害支援のスキーム、
まとめ
①メシアの証ー文鮮明②統一教会と学生たち―勝共による日本宣教、③統一教会による人材と資金調達の戦略ー布教・霊感商法・献金④祝福と贖罪ー韓国の日本人女性信者、⑤統一教会の現在と未来ー法的規制と新宗教、文鮮明が創設した統一教会、小規模教団を日本で展開拡大、献金・合同結婚式・自民党・なぜ社会問題化したか・孤立した家族や宗教文化教育の欠落によって引き起こしたもの、