皆さん南方熊楠てどんな人だと思います
本書は、早稲田大学国際言語文化・唐澤研究員が南方熊楠の可能性の極限について描いたものです
構成①驚異的な記憶力を持った神童②アメリカ時代③大英博物館の日々④無念の帰国と思想の深化⑤那智山を下る熊楠⑥蓄えてきた知を爆発させてからなります
①熊楠の由来は藤代神社の楠、少年時代から「和漢三才図絵」他筆写、「てんぎゃん」のあだ名は天狗にさらわれた意味、鳥山啓が恩師、フィールドワークを学ぶ、深友・羽山兄弟(夢日記)
②ミシガン州立農学校退学、学会にも属さない。他国の文化を客観視・植物採集、ピストル一丁でキュウバ旅行、新種の苔発見し、植物学者カルキンスと交流
③大英博物館を中心にデスクワーク、52冊のロンドン抜書・51篇の論考、「ネイチャー」投稿、孫文と会う。館内で侮辱的な英国人を狂打、追放される。熊楠の思想を深化させた人・土宜法龍「事の学」、オカルティズムには批判的
④博識がかったことは止み、考察が増す。「燕石考」のネイチャー不採用で「精神変態」、熊楠の生命の樹・事の学を経て「南方曼荼羅」表される
⑤結婚と子育ての幸せな家庭生活を送ったが、エコロジーの立場から糸田猿神祇の合祀反対、投獄され「粘菌」発見、天皇陛下へご進講
⑥柳田国男と出会い、熊楠を「日本人の可能性の極限」と称した。植物採集は、「狂人」にならないため、主著「十支考」・三冊の論考「南方閑話」「南方随筆」「続南方随筆」
まとめ
本書は、「極端人」熊楠の在り方に於ける「普遍性」を明らかにしたものです。彼の生き方は私たちに大きな示唆を与えてくれます
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